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弾道ミサイル発射探知する高度2万メートルの“目”
■週刊軍事情報
今月、海上自衛隊の「SM3」がハワイ近海で弾道ミサイル迎撃実射訓練を行う。成功すれば日本のミサイル防衛(MD)はとりあえず実用段階に達する。ただ、MDに必要な探知、追尾、迎撃の3要素のうち探知は依然として米軍頼み。
現在、弾道ミサイル発射探知は赤外線による早期警戒衛星が行っているが、もちろん日本にはない。では、大枚はたいて打ち上げなければならないのか。実は衛星ほどカネも技術も人手もかけなくてもいい方法がある。それは高度2万メートルの成層圏に静止し、数年にわたって滞空できる無人の高々度飛行船を複数打ち上げることだ。
この高度にはジェット気流はなく飛行船も風に流されないので、赤外線探知装置、合成開口レーダーなどのセンサー類を乗せれば1カ所にとどまって定点観測ができる。2万メートルの高度からなら、単純に水平線からの見通し距離だけでも500キロ前後、1万5000メートルまで上昇した弾道ミサイルなら1000キロ前後離れていても見通せる。電力は太陽電池と再生型燃料電池を組み合わせて供給できる。
実はこの無人飛行船は、すでに文部科学省と総務省が通信・放送、地球観測を目的に研究開発を進めている。「成層圏プラットフォーム飛行船」という名称で、全長150―250メートル。7機前後で日本全域をカバーする構想だ。
「米国は高々度飛行船をミサイルの早期警戒に使うことを真剣に検討している。ただこの分野では日本が最先端といっていい」と軍事関係者。2004年には全長68メートルの実験機による試験も行われた。メーカー側は防衛目的への展開も視野に入れており、先ごろ開かれた防衛省主催の防衛技術に関する展示会に川崎重工が展示をしていた。
加えて“使える”センサー類もある。防衛省は赤外線弾道ミサイル観測センサーシステム(略称・エアボス)をすでに航空機に搭載して実験している。実現すれば国防、民生ともにメリットの大きい構想だ。(2007.11.27紙面掲載)
