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建築家、天野彰の語る家(7)長く住める増殖型住宅

■狭・楽しく生きる
天野彰 前回、長く住める増殖型住宅について書くと予告した。狭いことがテーマのこのコラムで一体なにが増殖なのか? といわれそうなのだが…どっこいこれも狭楽しく生きる発想なのだ。

 まず2LDKのマンションでその間取りのまま住んでいれば2人の子どもは男女でもいつまでも同じ部屋となる。さりとて2人に部屋をそれぞれ与えれば親の寝室はなくなりLDで寝なければならない。しかし、1つの部屋を工夫して2つに区切れば2人の子ども部屋(コーナー?)となり、親の寝室は安泰である。

天野彰 何のことはない、ただ子ども部屋を狭くしただけではないか? と思われるのだが、さにあらず。子どもたちからすれば同じ家の中で“自分の部屋”ができたのである! これほどの喜びはないのだ。まるでコックピットのような狭いわがコーナーで大はしゃぎなのだ。まさに同じ家の中で2つの子どもコーナーが新たに誕生、すなわち増殖したことになる。

 同じ発想で、2LDKのひとりっ子の6畳の“広い”子ども部屋を、狭い寝室にあるタンスなどで半分に仕切り、入り口側の半分を納戸のようにする。すると家の中のいろいろなものがここに収納され、親の寝室や皆のLDKは広々とする。一方の子どもはタンスなどの背に囲まれた空間で安心し落ち着く。

 広い部屋に子どもたちを入れると、なぜか部屋の隅で遊ぶ、これは彼らの習性でもある。とりあえずタンスなどで仕切ったが、分譲で所有するマンションならリフォームして壁のすべてを取り去り天井までの高収納の間仕切り収納にすると、部屋はさらに広々とする。

 一戸建てを建てるチャンスがあれば部屋をちまちまと仕切らないことだ。2階も床をつくらずはりだけの巨大な吹き抜けとし、まるで広い体育館のような雄大な空間とする。これで建設費も割安となる。子どもたちの成長に合わせて家具で仕切り、さらに床をつくる。これこそローコストの増殖型“体育館住宅”といえる。

 次回は冒頭の「2人の子どもに6畳1間を立体的に仕切る?」ついて。
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あまの・あきら
 1943年愛知県生まれ。日大理工学部卒。一級建築士事務所アトリエ4A代表。最近著「六十歳から家を建てる」(新潮社)など著書多数。

(6)「ジャンボテーブル」に家族が集う
(5)みんなで使えるキッチン
(4)子供に部屋を貸す
(3)家は夫婦が主人公
(2)「夫・婦寝室」の間の「・」が肝心!
(1)“狭苦しい”家もルール次第で“狭楽しく”

投稿日: 2008年01月03日

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