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任天堂・岩田聡社長「私はスーパー前向き」

岩田聡社長 日本の景気が減速するなか、昨年ほぼ一人勝ちだった任天堂。携帯ゲーム機「ニンテンドーDS」と据置型ゲーム機「Wii」に加え、関連のソフト売り上げも絶好調で、少し前までのゲームバッシングもすっかり影を潜めた。株価13万円予想説も飛び出すなど、同社への期待は高まるばかりだ。今年の戦略について、岩田聡社長(48)に聞いた。

――昨年、株価は年初の3万円から一時7万円を超え、時価総額も約10兆円になるなど好調でした
 「おかげさまで、去年はいい年でした。ニンテンドーDSも、ゲーム機普及の限界台数と言われてきた2000万台を突破しました。私たちも努力しましたが、予想以上に追い風も吹きましたね」

――この好調はどの程度予測していましたか
 「『売れると予想していた』というのは、うぬぼれです。DSもWiiも、これほど短期間に劇的に拡大すると分かっていれば、品切れも、業績を上方修正することもありませんでした」

――ただ、「品切れは商品の人気をキープするための任天堂の戦略」といった記事も出ました
 「(そういう記事を見ると)正直、悲しい気持ちになりますね。ゲーム機の生産量は、だいたい半年前には決定しますので、簡単に変更はできないのです。そもそも、Wiiのコンセプトは“取り巻く人々を笑顔にするマシン”です。笑顔とは反対の戦略を取るはずがありません。一人でも多くの人が任天堂のゲームで遊び、笑顔を見せてくれることが私の仕事の原動力です」

――今年の目標は
 「今年も新しいハードを出します。…というのは、もちろん冗談で、DSやWiiによって増えたゲーム人口を一過性のブームに終わらせないための“答え”を示すことが目標です。DSでも、やれることはまだまだあると思いますからね」

――限界台数の記録更新に挑戦?
 「それは、やってみなければ分かりません。ただ、いままでも『そんなことは無理だ』というゲーム業界の常識に挑戦した結果、いくつかの“常識”は変わって成功しました。『DSでゲーム人口を拡大する』ということも、その挑戦のひとつです。今年は、継続的なゲーム人口の拡大と定着のために、さまざまな手=別項参照=を打っていきます」

――守りには入らない
 「物事は、同じ場所に留まった瞬間にダメになります。とくに、ゲームのような娯楽には飽きがつきものですから、せっかくDSやWiiを手に取っていただいたお客さまにしまい込まれないよう、Wii Fitのような新しい提案が今後も欠かせません」

――相変わらず、前向きですね
 「そうです。私は“スーパー前向き”ですよ(笑)。こういう仕事(社長業)は前向きじゃないとすぐメゲてしまうし、続かない。それに、前向きな性格でなければ、『ゲーム人口を拡大する』なんて、とても言えません。今年も前向きな取り組みを打ち出していきます」
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岩田聡社長 任天堂のゲームの特徴は、従来の常識を超えた新しい“遊び”を次々に提案する点にある。昨年末に発売され、ダイエットや筋トレを遊びに変えた「Wii Fit」(Wii用、8800円)もそのひとつだ。

 同社の宮本茂専務はWii Fitの魅力のひとつとして「体重を毎日記録する面白さ」を挙げているが、岩田社長も同感だという。

 「私は『機械が記録してくれるなら(トレーニングを)やります』という感じでしたね。私は技術屋だから、機械ができることはなるべく機械にやらせたい性分なので」

 Wii Fitには岩田社長の意見も多く取り入れられている。ユーザーが乗る「バランスWiiボード」をワイヤレスにしたのも岩田社長の発案という。

 ところで、発売直後には売り切れ店が続出したWii Fitだが、“脱落者”のうわさもチラホラ聞こえてくる。

 岩田社長は「私も若いころ、禁煙するのがかなり大変でしたから、体にいいと分かっていても続けられない気持ちは分かります」と同情しつつ、「ご家族で一緒にやれば、きっと続くんじゃないでしょうか。私も子供に『パパ、やってないねー』と言われたら、『やるか』という気になりますからね。あまり固く考えずに、新しく面白いものとして気楽に使ってもらえれば、と思います」とアドバイスする。

 現在、岩田社長は「帰宅が午前にならなければ、必ずやっています。平均すると週5日ペース」という。その成果も気になるところだ。
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 「ニンテンドーDS」はゲーム機史上もっとも普及した携帯型ゲーム機だ。国内販売台数は、これまでゲーム業界内で「限界」と言われていた2000万台を超えたが、任天堂はこれを「生活を豊かにするマシン」と位置づけ、さらに記録を更新する考えだ。

 さらなる普及のカギを握るのは、ゲーム以外の用途。「たとえば、このワンセグ受信アダプタ『DSテレビ』のように、ソフトがなくてもDSだけで楽しめる機能を増やし、DSを持ち歩くこと自体に意味が生まれたらいいなと思います。そうなれば、結果的に一家に1台では足りなくなるかもしれません」と岩田社長は話す。

 ワンセグ機能は携帯電話にも搭載されているが、画面の大きさやタッチスクリーンで操作できるなど、DSが有利な点も多い。なにより、単一機種で2000万台を普及させている“数の力”は偉大だ。単純計算で考えれば、国民の6人に1人がDSを持ち、その操作方法をマスターしているわけで、新サービスの普及にも障害は少ない。

 DSの具体的な活用法について岩田社長は、「鉄道の駅やテーマパーク、美術館などでDSが何かの役に立てるようにしたい。今年の前半にも、そういう実例をお見せできたらと思っています」と語る。今年の展開が楽しみだ。

投稿日: 2008年01月18日

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