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言葉のタネ明かし「初体験」(ハツタイケン)
新年らしく「初」づくしで―。初詣で、初売り、初市などは盛んに使われるおなじみの言葉だが、特に元日に発行される新聞を「初(はつ)刷(ずり)」と呼ぶことなどは、われわれマスコミ業界のなかでも知る者はごく少数だ。
インクの香がいつもの新聞とは違ってすがすがしいと感じる気持ちから生まれた語である。女性の新年初めての化粧をいう「初(はつ)鏡(かがみ)」もなまめかしい趣にあふれ、「初刷」ともども次代に伝えていきたい言葉だ。
ところで「初」の読み方だが、「初春」はハツハルともショシュンとも読まれる。ただ「ハツハルのおよろこびを…」などというように固定的な読み方もあるから、どんなふうに読んでもいいとは一概に言えない。
「初孫」「初産」については、多くの辞書やNHKが「ウイマゴ・ハツマゴ」「ウイザン・ハツザン」と両様を認めている。もっとも医学界では初産はショザンと読むらしく、「新潮日本語漢字辞典」は濁らない「ショサン」を示している。
「初体験」はどうか。ショタイケン、ハツタイケンと人によって発音がまちまちだ。先の「新潮~」は両方の読みを載せており、「どちらかといえばハツタイケンが優勢」と書く本もある。
えっ、初夜は ショヤだから初体験はショタイケンだって? なにも性的体験だけが初体験ではないはずなんだがなあ…。
(産経新聞大阪編集局校閲部長 清湖口敏)
