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建築家、天野彰の語る家(9)机の配置で親子関係が変わる

■狭・楽しく生きる
天野彰 住まいとは実に不思議なもので、その間取りや配置、さらにはドアの開き方一つで親子関係あるいは家族関係まで変わる。このことは家の大小にかかわらず、壁で個室化された広い家であれば家族が疎遠になったり、その反対に親子の息づかいが伝わりそうな狭い部屋であっても、かえってそのことがわずらわしくなったり、などと住みにくい。

天野彰 親は子どもの自立や勉強のためにと、子どもたちに個室を与えたつもりが、肝心の子どもは親や家族から離れ、かえって寂しくなって落ち着かず、勉強に集中するどころか毎日ごろごろ過ごすスペースとなり、ついには親に干渉されることさえ嫌がるようになる。

 そんな時、親が子のドアを開けて中の様子を見ようものなら「人の部屋に入るな」とか「かぎを付けろ」などと言われ、ショックさえ受ける。もともと部屋を与えるときに、親の覚悟、さらに個室の管理などの約束をしっかりせずに無防備に与えたことが原因なのだ。

 だが、既に個室を与えてしまった場合でも対処法がある。まさに親子や家族関係は間取りではなくコミュニケーションで、子どもが居る場所によって親子の関係を密にすることができる。

 子ども部屋の机はどの家も南の窓側に置いている例が多い。しかし、これには大きな問題がいくつも存在する。ひょっとしてこのことが原因で親子関係が悪くなっている例さえある。

 まずその一つが光線で、窓際は日射がきつく目に悪い。さらに窓から入る情景や音が勉強に集中できない。そして極め付きはイラストに見るように入り口から見える子の姿は、まさに明るい窓に向かって見えるシルエットで、いったい何をしていたのか? と、疑心暗鬼も起こる。

 そこで思い切って机を入り口側の壁に向かわせて置く、これなら日常安定した光となり、目の前に壁があって落ち着く。入り口からは子どもの姿が目の前で「おや? お父さん。いらっしゃい!」などといい関係になる。次第に子ども部屋のドアは開け放しとなり家族と一体となる。
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あまの・あきら
 1943年愛知県生まれ。日大理工学部卒。一級建築士事務所アトリエ4A代表。最近著「六十歳から家を建てる」(新潮社)など著書多数。

(8)6畳一間を2人の子に
(7)長く住める増殖型住宅
(6)「ジャンボテーブル」に家族が集う
(5)みんなで使えるキッチン
(4)子供に部屋を貸す
(3)家は夫婦が主人公
(2)「夫・婦寝室」の間の「・」が肝心!
(1)“狭苦しい”家もルール次第で“狭楽しく”


投稿日: 2008年01月28日

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