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著作権の切れた名作をケータイで読む

pc20080124_02.jpg 作者の死後50年が経過して著作権保護期間のすぎた名作をデータ化し、ネットから無料でダウンロードできる電子図書館「青空文庫」が昨年10周年を迎えた。今や7300を超える作品が収蔵され、携帯電話でも手軽に読めるようになったと聞き、中年記者も遅ればせながら通勤時に名作にトライしてみた。

 現時点での“対象者”は1957年以前に死去した作家たちだ。夏目漱石や森鴎外ら明治の文豪は勢ぞろい。もちろん、彼らの作品は今も文庫本で読めるし、重さをいとわなければ図書館で借りた全集を抱えて通勤するのも勝手だが、ケータイに収納できれば、新たな重量負担はないわけだ。

 記者のケータイは、2005年夏発売のauのW31CA。諸般の事情からネットにつながらず、基本的に音声の通話だけの利用。ただし、カメラ機能とSDカード(mini)は付属している。

 これまでも、会社でパソコンを使っていて、気になったサイトのテキストのみをコピペしてケータイに移し、横書きのままスクロールキーで読むことはあった。

 だが、青空文庫収蔵の作品なら、写真(1)のようにルビ付き縦書きで表示。次ファイルの呼び出しボタンを押すことで、ページをめくるように読むことができる。

 さっそく、やってみよう。まず準備編として、ケータイのSDカードをパソコンに接続(SDスロットがない場合はカードリーダーを利用)。

 次に、オンラインのパソコンで青空文庫のホームページ(同(2))につなげ、サイト内にある「azur」バナー広告をクリック。azur(アジュール)とは、青空文庫とボイジャーという会社が共同で開発した縦書きブラウザ(閲覧ソフト)だ。ここからazurプログラムをパソコンにダウンロードし、実行。なお、このプログラムは30日間の使用期間制限があり、その後は購入が必要だ。2100円也。

 一方、青空文庫のリストから好きな作家の作品を選んで、XHTMLファイルをダウンロードし、azurにドラッグ&ドロップする。今回は田山花袋の「蒲団」にした。妻子ある中年作家が、若い女弟子に萌え~となって、別れた後、女弟子が使っていた蒲団の匂いを嗅ぎながら泣くというオハナシ、らしい。

 azurに文章が表示されたら、「表示」→「表示エリア」→「メモリスロット付き携帯電話」を選択。1ページが12字×7行で約560ページになった。今度は、「ファイル」→「書き出し」を実行。5分かかったが、これで、SDカードに移植された。

 SDカードをケータイに戻し、メニュー画面から「miniSD」→「PCフォルダ」→「サブメニュー」→「自動振分」→「全件振分」で、完成。つまり、パケット通信は不要。「データフォルダ」に「グラフィック」フォルダが新設され、その中に560枚の「蒲団」が収まった。

 後は読むだけだが、ケータイ読書は朝の通勤時だけにとどめ、帰りは夕刊フジをよろしくお願いしますね。
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 青空文庫
 1997年、ノンフィクション作家の富田倫生氏らによって始まったインターネットの電子図書館。当初は、二葉亭四迷「余が言文一致の由来」、森鴎外「高瀬舟」、与謝野晶子「みだれ髪」(明治34年版と昭和8年版)、中島敦「山月記」の5作品からスタートした。ボランティアが、紙の本からデータを入力・校正。縦書きルビ付きで読めるビューアーがいくつも第三者から発表されている。

 一方、文部科学省の審議会では、現行死後50年の著作権継承者(多くは遺族)保護期間の死後70年までの延長を検討課題と表明。青空文庫では反対の署名活動を展開中。

 なお近く保護が切れる作家は、09年永井荷風、10年火野葦平、和辻哲郎、11年小川未明、12年柳田国男、吉川英治、正宗白鳥ら。

投稿日: 2008年01月31日

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