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言葉のタネ明かし「発覚」

 今ではテレビ局の教育が行き届いているためか、あまり見かけなくなったが、かつては災害現場に駆けつけたリポーターが声を上ずらせ、「手前の家が土砂で見事に埋まっています」などと叫ぶことが多かった。

 被災した家の関係者がたまたまその番組を見ていたら、きっと怒り出すに違いない。「見事とは何だ!」と。見事とは「『見るだけの値うちが有る事』の意」(新明解国語辞典)だ。だから「見事」には、どこか浮き浮きし、はしゃいでいるような語感がある。

 「株価はあと一歩で1万3000円割れというところまで急落した」。「あと一歩」と言われたのでは、何だか1万3000円を割らなかったのが残念だ、惜しかったというふうにも聞こえる。

 これらの表現は言葉の正誤というよりは、繊細な国語の感性に照らして考えるべきなのだろう。

 今でも週刊誌の大見出しなどで見かける「女優の○○、熱愛発覚!」なんかも同様だ。

 不倫ならいざ知らず、誰からも祝福されるような交際に対しても「発覚」と書いてしまう。「発覚」とあると私なんかつい、悪事を連想してしまうのだが、読者の皆さんはいかがだろうか。

 「検診の結果、がんであることが発覚した」。たまに見かける文章だ。「がんであること」を一体、何(誰)が隠していたというのだろう。
(産経新聞大阪編集局校閲部長 清湖口敏)

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投稿日: 2008年01月31日

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