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「CSI」日本語版の舞台裏を潜入捜査
「24」や「LOST」など、米国発のテレビドラマが日本でも大人気だ。配役やセットに映画並みの制作費を投入する豪華な作りが受けているが、それをさらに盛り上げるのが日本版の吹き替え。英語をただ日本語に変えるだけではない。本場よりも面白くしようと翻訳者や声優らは日夜努力しているのだ。
なかでも、科学捜査で難事件を解決する「CSI:マイアミ」の吹き替えは、一部ファンから「英語のセリフより魅力的」と言われる。ドラマの魅力と日本版制作の舞台裏を紹介する。
「オレは悪を始末する」「必ずお前を塀の中へブチ込んでやる」「警察の力を、思い知らせてやる」などなど、主人公のCSIチーフ、ホレイショ・ケインは数々の名セリフを生んできた。日本の警察官がこんな暴言を吐いたら間違いなく新聞沙汰だが、これをカッコいいと思わせるのがホレイショのパワー。そのせりふを支えているのが日本版のスタッフと声優だ。
ホレイショの濃密な魅力については別項の声優・石塚運昇氏インタビューに譲るとして、米フロリダ州マイアミを舞台にするこの作品は、ラスベガスを舞台にした「CSI:科学捜査班」シリーズのスピンオフ作品として誕生した。
死体の腐敗状態までも忠実に再現し、科学捜査を駆使して犯人に迫るのがCSIシリーズ共通の醍(だい)醐(ご)味。
全米では、あの「ER緊急救命室」や「フレンズ」を抜いて視聴率トップを誇る。なかでも「マイアミ」には派手めのアクションが加わったことでファン層が広がった。
では、こうした全米人気ドラマを日本で放送するにはどんな手順が踏まれるのか。
まず、テレビ局の番組担当者が毎年5月に米ロサンゼルスで開催される番組見本市「LAスクリーニング」に参加する。FOXやパラマウントなど大手6スタジオで開かれる番組紹介コーナーに足を運び、世界各地から集まった番組買い付けのバイヤーたちが品定めをしていく。
このバイヤーたちに、米各局はあの手この手で売り込みをはかる。とくに日本人は上客なので、日本語の案内を用意しているスタジオもあるという。
こうして買い付けられたドラマが日本に持ち帰られると、いよいよ放送に向けて動き出す。だがテキトーな番組と違い、CSIのようにリアルさを追求した作品は、翻訳にかける手間も半端ではない。
CSIの日本版を制作したWOWOW制作局の中薗慶子さんは、「アメリカの鑑識は最新の機材を使っているので、分からないことばかり。翻訳者と2人で頭を悩ませっぱなしです。なにより、視聴者の目が肥えているので、手が抜けません」と苦労を語る。翻訳者も「労力は普通の作品の2本分」とため息をついているという。
苦労の末できた台本に“魂”を吹き込むのがアフレコだ。実際に記者も東京都内のスタジオで「CSI:マイアミ」のアフレコを見学したが、役者の口の動きに合わせてあたかも日本語を話しているかのように仕上げるさまは、まさに職人芸。圧巻の一言に尽きる。
ホレイショ役の石塚氏は「僕の中でできあがったホレイショ像がすでにあって、本物が僕のイメージに近づいてきてくれないと困る、というぐらいのこだわりを持ってやっています」と言う。
こうして全米ナンバーワンドラマは、米国よりもさらにパワーアップし、日本のお茶の間に届けられるのだ。
「CSI:マイアミ」の第5シーズンはWOWOWで毎週土曜日午後10時から、第4シーズンはテレビ東京系で毎週月、火、水曜日の午後0時30分から放送中。
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■主人公ホレイショ役の石塚運昇さん
2シーズン目に主役のホレイショが「オレは繊維の神様だ」と言い切るシーンがあって、自分がすべてを支配しているという姿勢がドーンと出てきたんですね。そのとき、この言い切りこそがホレイショではないかな、と思いまして。中心はいつでもオレ、事件でもオレはすべてお見通し、という姿勢。だから語尾を相手にグサッと突き刺すような粘着質なしゃべりがいいかなと思い、本人のセリフよりもゆっくりめに話しています。
ホレイショ役のデービッド・カルーソさんもだんだん“遊ぶ”ようになってきましたね。エレベーターから降りるときになぜかポーズをとったり、丘の上で1人でひざまずくシーンを空撮で撮ったり。
カルーソさん自身は遊びと思っているのか、それとも本気でカッコいいと感じているのか、どちらなのでしょうか。僕は笑いながら吹き替えをしていますが。ところが熱狂的なファンは「すごくカッコいいですよね!」というんですよ。これが、このドラマの面白いところですね。
決めゼリフは歌舞伎に似ていると思うんです。見得を切ったところで熱心な観客が「○○屋!」と声を上げる。それがホレイショの決めのシーンと妙にかぶって見えるんですよ。笑えるんだけど決まっちゃう、という感じ。科学捜査班なのに、なぜか派手なアクションが多いのも「マイアミの太陽と海が許してくれるさ」というのが、この作品の魅力でしょうか。
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■今月から大人テイストの最新作
CSIシリーズでもっとも大人の味を放つニューヨーク編の最新作「CSI:ニューヨーク3」が今月からスタートした。WOWOWの中薗さんは「日本人にもニューヨークという街はなじみ深いので、視聴者にとっては入りやすい作品のようです」という。大都市のファッション性に興味をひかれるファンも多いようだ。
ラスベガスの見せ場は徹底した科学捜査、マイアミはやや派手なアクションシーンが売り。一方、ニューヨークはゲーリー・シニーズによるCSIチーフのマック・テイラーの渋い演技や、街の雰囲気など、落ち着いた展開が見逃せない。
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■最新第7シリーズは今春から
ラスベガスを舞台に緻(ち)密(みつ)な科学捜査を展開する「CSI:科学捜査班」はマイアミ、ニューヨークという2つのスピンオフ作品を生み出した。最新第7シリーズが今春、放送開始予定。2月22日から前作の第6シリーズが一挙に再放送される。

