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映画決めゼリフ「天然コケッコー」
「あんたらともいつか仲良くやれる日が来るかもしらん」
近年、コミックが原作の映画やドラマが多く、苦々しく思っている関係者も多いことだろう。もっとオリジナルストーリー作品が出てほしいと思うのだが、この作品のように、力のあるコミックの映画化作品が多いのも確かなことだ。
コミックと聞くとモンスターやスーパースターが出てくるものばかりだと思いがちだが、しっかりとした文芸ものもある。初恋を描いたコミックには島崎藤村や川端康成、三島由紀夫のそれと肩を並べるぐらい叙情豊かに人の心を描いた作品も数多く、本作もその一つである。
海に近い山と田んぼが広がる村の全校生徒6人の分校で学ぶ女子中学生の初恋物語を『リンダ リンダ リンダ』の山下敦弘監督が、みずみずしい映像作品に撮り上げた。
主人公のそよ(夏帆)は中学2年生。幼い子たちの面倒見の良いお姉さんだ。そんなある日、東京から1人の同学年の大沢広海(岡田将生)が転校してきた。都会のにおいをまき散らすイケメンに、そよは心ときめかすのだが―。
3年生になったそよと広海は修学旅行で東京に行く。そよにはあこがれの東京だ。だが慣れない都会の人いきれに気分を悪くしてしまう。都会におじけづいたそよ。東京育ちの広海はそんなそよを優しく見守るのだ。そよが東京を離れるときに、東京の風景に向けて言ったのがこのセリフ。
誰もが顔見知りという小さな共同体で暮らすには、煩わしい思いもあるだろう。だからこそ人に対して優しく接しようとする心が必要だ。きっと見終わったときには、ほのかに心が温まっていることだろう。
2007年7月公開、本編2時間1分。発売・アスミック、集英社。4935円。




