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「ウナギ」豊富な栄養が情勢判断を鋭く

 世の中が大転換するときには、身をもって来るべき新しい時代の道筋を切り開く象徴的な人物が登場するものである。
 江戸時代から明治時代への変わり目に登場したのが、薩摩の西郷隆盛(1827―1877)であった。

 いまなお衰えない人気を持ち続ける西郷は身長が180センチもあり、体重も多いときには120キロ前後はあったらしい。太いまゆ毛と黒ダイヤのように輝く大きな目に特長があり、その目で見られると深い印象が残り忘れることができなかったという。

 情にもろくて人に優しく、それでいて肝が据わっているから、何がおこってもびくともしない。薩摩藩の下級武士の子として生まれた西郷は、長じて薩長連合を結成して徳川幕府を倒し王政復古を成功させるなど、明治新政府樹立の立役者の1人である。

 巨漢に似合わずお酒は苦手の方で、甘党だったようだ。甘いカステラが好きで豚やイノシシの肉などもよく食べたという。さらに、好物にウナギのかば焼きがあり、甘いたれをつけて焼いたものを3人前はぺろりと平らげていたそうだから、かなりの大食漢でもあった。

 激動する時代を命をかけて活躍した西郷にとって、ウナギに含まれている豊富な栄養が役に立ったのは確かだ。情勢判断を的確にしたり、記憶力を高める上で効果的な脂肪酸が多いし、脳や肉体の疲労回復に役立つビタミンB1がたっぷりなのだ。

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 夏もいいけど冬のウナギもこってりしていてうまい。かば焼きを買ってきたら、魚焼き器で軽くあぶり、一口大に切ってどんぶりご飯の上に並べる。その上にのりをちぎって散らし、熱めのほうじ茶をたっぷりかけて食べる。口直しはウリの粕漬けが合う。

 西郷さんは知れば知るほど好きになってしまうスケールの大きさがあるぞ。
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(食文化史研究家・永山久夫)

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投稿日: 2008年02月18日

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