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言葉のタネ明かし「とんでもありません」

 「さすが、あなたは大物だ」「いいえ、とんでもありません」―「そのようなことはない」と強く否定したり 謙遜(けんそん)したりするときに、「とんでもありません(ございません)」と言う人がいる。さて、これは正しい言葉遣いかどうか。

 「金がない」の「ない」は、「ありません(ございません)」と丁寧な言い方に換えることが可能だ。これは「金が+ない」というふうに分けられるからで、そうでない語、たとえば「くだらない」の場合は、「くだら+ない」に分けられないから「くだらありません(ございません)」とは言えないことになる。

 「とんでもない」も「くだらない」と同様に、語全体で一つの形容詞と考えられるから、「とんでもありません(ございません)」は誤りというのが大筋の見方である。

 ところが現代国語例解辞典は「『とんでもあり(ござい)ません』と言ったりするのは誤用に基づく慣用」と注記しており、世間一般では相当に慣用化が進んでいることがうかがえる。

 文化庁発行「言葉に関する問答集」でも「不適切な言い方として退けることは好ましくないとも言える」としているので、ぼちぼち容認してもよいのかもしれない。ただし、「とんでもないことでございます」が伝統的な言葉遣いであることは、あくまで心得ておきたいものである。
(産経新聞大阪編集局校閲部長 清湖口敏)

その他の「言葉のタネ明かし」
「高根の花」 「確信犯」 「発覚」 「月極め」 「ブ然」 「初体験」(ハツタイケン) 目上の人への「お疲れ様」には「です」「でした」  「クダサイ」の使い方 「統廃合」

投稿日: 2008年02月21日

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