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昔々の健康食「ユズ塩辛」
「くし」は「奇し」であるが、酒をも意味する。酒のもたらす奇妙な興奮作用を言ったもの。酔うと突然人格が変わる。笑ったり、泣いたり。その変化が古代の人たちにとっては不思議に見えた。
「古事記」に「笑酒(えぐし)」とある。楽しい酒という意味。「ワッハッハッ」と笑いが吹き出す酔いの面白さをいっている。「酒は百薬の長」ともいわれるように、病気を防ぐ力もある。
万葉歌人として有名な大伴旅人は、人生と酒をこよなく愛し、「万葉集」に「酒をほむる歌十三首」を残している。
その内容は自由自在であり、多少の皮肉が込められている。高級役人ではあったが、晩年は九州に赴任させられるなど不遇であり、そこから発生するストレス解消に酒は大いに役立っていたのではないだろうか。
旅人は67歳で没したとみられている。奈良時代としては大変な長寿だ。
しるしなき 物を思はずは 一杯の
濁れる酒を 飲むべくあるらし
「役にも立たないことでくよくよ悩んでいるよりは、濁り酒でも飲んでいた方がよほどましですよ」というほどの旅人の作品。
この世にし 楽しくあらば 来む世には
虫にも鳥にも われはなりけむ
「この世で愉快に酒を飲めたら、あの世で虫や鳥になっても私は構いません」という意味。日本酒が注目されている。血行をよくして若さを保ち、がんをやっつける免疫力が強くなるからだという。ゆっくり楽しむのがよいそうだ。
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ユズ塩辛を作る
万葉の時代の酒の肴として人気のあったのが魚醤(うおひしお)。現代でいったら魚の塩辛のようなもの。そこでユズ混ぜの塩辛を作ってみよう。ユズの皮をすりおろしイカの塩辛に混ぜるだけ。さわやかで美味。酵素やビタミンCのとれる健康酒肴だ。さァ、偉大なる万葉歌人に乾杯だ!
(食文化史研究家・永山久夫)
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