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パイ色兼備の女流雀士
紫煙立ちこめる雀荘で、男同士徹夜で牌を握り合う―そんな“男の遊び”だった麻雀の世界にも女性が続々進出している。手前みそながら今月2日には「夕刊フジ杯争奪 第二回 麻雀女王決定戦」も開催され、清楚系からギャル系まで、あっと驚くような美女雀士たちが勢ぞろいした。知られざる女流雀士たちの生態に迫ってみた。
【出合い】
麻雀といえば、大学の先輩に誘われてカモられながら覚えていく―というのが相場だった。記者も、ずいぶん高い授業料を払って麻雀にのめり込んだクチだが、時代とともに事情は少し変わってきたようだ。
「大学に入るまで牌に触れたこともなかった」というのは雀歴10年の横山明香プロ(29)。立教大1年のとき、女友達から誘われて卓を囲んだのが初体験だという。
草場とも子プロ(30)は大卒後、暇つぶしで始めたテレビゲームで雀士の血に目覚めた。テレビゲームで、この道に入ったという女性も多い。
変わり種は、プロデビュー戦の「第一回 女流麻雀戦」でいきなり優勝し、シンデレラガールとして注目された手塚紗掬(さきく)プロ(27)。実家は神社。神道系の大学を卒業したが、実家を継ぎたくない一心で麻雀店でアルバイトを始めたという。「特別な思い入れはまったくなかったんですが、生来の負けず嫌いで…。気が付いたらほとんど負けなくなっていました」
【プロ生活】
女流のプロ雀士は現在、全国に100人ほどいる。日本プロ麻雀協会など7団体が開催する認定試験を受験し合格すれば、プロへの道が開ける。女流プロ雀士の多くは、7つある団体のいずれかに所属しているが、OLとして二足のわらじを履く横山プロや手塚プロらのようにフリーで活躍する人もいる。
7団体のひとつ、日本プロ麻雀協会に所属する杉村えみプロ(26)は、東京からいったんは実家に戻り普通のOLとして就職したが、プロの夢を諦めきれずに再上京した。癒やし系の見た目からは想像できない気骨がある。「プロとして活躍する先輩の姿に見て刺激を受け、やっぱり私にはこれしかない、と。両親の反対を振り切ってプロ試験を受けました」
「私なんかまだまだ若造」と控えめに笑う成瀬朱美プロ(25)も異色の経歴。アイドル顔負けのルックスは美人ぞろいの女流雀士の中でもひときわ目立つが、もともとはネイリスト。「美容系の専門学校に通っていました。プロになる前は長いつけ爪をして牌をつもっていました」と笑う。
【打ち方】
まさに多士済々の女流プロだが、打ち方にも個性が光る。
清純派のルックス通り守備型を貫くのは横山プロ。「勝機を見つけて一気に攻めるカウンターが得意」とか。
追い込まれると強くなるという「窮鼠型」は草場プロ。オーラスでトップまくり―なんて離れ業もお手の物だという。
手塚プロはクールビューティーなルックス通り、「超攻撃型」で攻めまくる。「いまの課題は守備を覚えること」というほどだ。
【モテる打ち方とは】
気の知れた男同士の麻雀ならともかく、妙齢の女性と卓を囲むとなると緊張するものだ。女性相手にはどんな打ち方をすればいいのか、現役女子学生のアマ雀士、中山奈々美さん(20)=専修大学2年=と楠原遊さん(24)=早稲田大学2年=も交えて聞いてみた。
意外と多数派だったのは、「彼氏にするなら、麻雀をやらない人がいい」という声。「麻雀を打つと、その人の人間性が見えすぎて、いやになることが多い。こちらが女ということで男性にもプライドがあるようで、勝っているときは上機嫌なのですが、負け出すと途端に口数が減る男性がけっこういる。そういう人は心が狭いな、と思いますね」(横山プロ)。
手塚プロは、麻雀の打ち方ひとつであこがれの俳優を嫌いになった経験を持つ。「テレビ番組の企画で卓を囲んだんですが、そのときの打ち方がかっこ悪かった。それで、急に熱が冷めましたね」
「牌を投げつけたり、マナーが悪いとかっこ悪く見えます」と語るのは成瀬プロ。「逆に負けてても、にこにこ打ってくれると好感がもてます。そういう人はたとえ弱くても女の子からの受けは断然よくなりますよ」
一方、「麻雀をやらない人とは会話が続かなさそう」というのは中山さん。「どうせ付き合うなら、麻雀が強い人がいい」そうだが、5人の中では少数意見だった。
【美女雀士とお手合わせ】
美人雀士と対戦したいという人にとって、もっとも手っ取り早いのはネット麻雀対戦だ。今回紹介した女流プロのほとんどはゲストとして月に数回、ネット対戦麻雀ポータルサイト「はこパラオンライン」(http://hakopara.jp/)に出ている。同サイト専属の手塚紗掬プロとは、とくに遭遇率が高い。
また、彼女らが拠点とする雀荘に足を運ぶのも、ひとつの手段。いつでもいるというわけではないが、タイミングさえ合えば、直で一局お手合わせしてもらえるかもしれない。今回紹介した女流プロと対局できる雀荘は以下の通り。
●成瀬朱美プロ…「麻雀スライム」
(神奈川県厚木市中町3-18-14 2階、電話046・295・5900)
●草場とも子プロ…「なすびぃ 松戸店」
(千葉県松戸市本町23-5 土屋ビル2階B、電話047・308・8411)
●杉村えみプロ…「フェアリー」
(東京都新宿区新宿3-23-2 8階、電話03・5368・2132)
●深津海帆プロ…「麻雀フレンズ」
(神奈川県川崎市多摩区登戸2663 東洋ビル4階、電話044・900・3381)
【最近の麻雀事情】
大学時代にはそれこそ夜も昼も麻雀に熱中した記者だが、就職後、麻雀とは無縁な環境に身を置くうち、すっかり浦島太郎状態になってしまった。最近の麻雀や雀荘事情はどうなのか?
「麻雀は一時的に人気が低下したが、ここ10年ぐらいでファン層が一気に拡大した」と解説するのは女流麻雀ブームにかかわった業界関係者。人気回復のきっかけはやはり、女流雀士ブームだという。
「女性の打ち手が増え、女性が出入りする雀荘―通称、ギャル雀が人気を呼んだ。ブームに呼応するように、かつての男性ファンも戻ってきた。いまや女性の間でも麻雀は完全に市民権を得た」
プロへの門戸も広がった。10年前のプロ試験では、20代の女性受験者は2、3人に過ぎなかったが、現在は200―300人が受験。うち60―70人がプロになる。ただ、問題はプロになってからだ。
前出の関係者は「賞金制のトーナメント自体が少なく、稼ぎは麻雀教室や麻雀店でのゲスト収入がメーン。収入も普通のOLより少し多いぐらい」という。体力的にも精神的にもタフな世界なのだ。だが、牌の魅力に取りつかれた女たちは、それでもプロを目指し続ける。
【第二回 麻雀女王決定戦】
「夕刊フジ杯争奪 麻雀女王決定戦」は一昨年から開催。第二回大会は、プロリーグとアマリーグからそれぞれ8人を選抜し、昨年4月から5回に分けて予選が繰り広げられた。予選期間中、各リーグで半荘14回を打ち、トータルポイントの上位2人が決勝に進出。決勝戦ではプロ2人とアマ2人が半荘6回を打ち、その優勝者が「麻雀女王」の称号を得る。
第二回の決勝は2月2日、日本青年館(東京都新宿区)で開催された。決勝に進出したのは、プロリーグから成瀬朱美プロと深津海帆(みほ)プロ(25)。アマリーグから白河雪菜さん(20、早大)と森下加奈子さん(21、東横学園女子短期大)。熱戦の末、前節からのリードを守りきった成瀬プロが優勝。準優勝は闘志あふれる打ちぶりが目立った白河さんに決まった。

