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映画決めゼリフ「さらば、ベルリン」
「戦争は便利なものよ
何でも戦争のせいにできるから」
全編モノクロ映像で、1940年代ハリウッド黄金期のクラシック名作の趣きだが、れっきとした新作である。明らかに『カサブランカ』を意識していて、随所に見たことのあるようなシーンに出合う。
舞台は終戦直後のドイツ・ベルリン。廃虚が並ぶがれきの街にアメリカ人記者ジェイク(ジョージ・クルーニー)が戻ってきた。彼には忘れられない女がいる。かつてこの地に駐在をしていたときの不倫相手レーナ(ケイト・ブランシェット)だ。数学者の人妻だった。ところが空港に迎えに来た米軍の運転手タリー(トビー・マグワイア)の恋人として現れたのがレーナだった。偶然再会した2人。変わってしまったレーナに戸惑うジェイク。そして事件が起きた。タリーが何者かに殺されたのだ。
物語は、再開した2人の辛く苦しい恋心を追いながら、タリー殺害の向こうに見え隠れする国家の巨大な陰謀へと導かれていく。ポツダム宣言の華やかさの後ろにある、米ソの外交駆け引きの暗部。当時の実写フィルムをちりばめながら、照明も演出も編集すら古い手法に則って描かれていく。とても複雑な展開だから心して見て欲しい。
このセリフはレーナが言ったもの。人も国家も組織も、絶対的な悲惨を免罪符にしてまで何を守ろうとするのだろうか。ところが男は女の言葉を信じようとする。
ああ、男はいつも愚かなのだ。そんな憎めない男の愚かさと、哀しい女のしたたかさのドラマを、ノスタルジーあふれる映像でじっくり楽しんでもらいたい。
2007年9月公開。本編1時間48分。発売・ワーナー・ホーム・ビデオ、3979円=特別版。




