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女優・有森也実(8)「ポルシェの赤」の口紅
■女優・有森也実のしっぽの話
昔、ある男性からフランスロケのおみやげです、と素敵なプレゼントをいただきました。
小箱の中にはフランス製の赤い口紅が入っていました。
慎重に紅を差すと、おちょぼ口のおばけのQ太郎のような顔に私は大笑いしました。
二十歳そこそこの小娘には、どう転んでも、逆立ちしても、使いこなせないセミマットな赤い口紅…。
「ポルシェの赤」と言ったら男性の皆さんにも分かっていただけるかしら。
スポーティーでエレガントで情熱的で知的で退廃的でもある。ドラマチックなその赤に小娘はすっかり魅了されてしまい、お守りのように化粧ポーチにしのばせ、お仕事が終わり、お化粧を落とす前にこっそり差してみたりしたものでした。
口紅は女優にとって役作りする上でとっても便利なアイテムです。色の選び方や輪郭のとり方で、人物の性格、立場、気分、時代までも表現してくれます。
それは女優に限ったことではなく、お化粧をするすべての女性にあてはまることだと思います。口紅はその人のもつ社会性のようなものでしょうか。
会社で仕事をしている時。家庭やPTAに参加する時。人と会う時。そしてデートの時。
暮らしの中には、色々なシチュエーションがあります。
どんな私で在るべきか、在りたいか、口紅を選ぶとき無意識にそんなことを思い、紅を引き、表情、発する言葉にほのかに色の魔法をかけるのです。
あなたの愛する人に、あなた色の魔法をかけてみたくなりました?
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ありもり・なりみ
横浜市出身。雑誌モデルを経て女優へ。映画「キネマの天地」、ドラマ「東京ラブストーリー」など多くの出演作がある。森光子の名舞台『放浪記』にも出演中(3月30日まで東京・シアタークリエほか地方公演あり)。
■女優・有森也実のしっぽの話
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