この記事を読む方におすすめの記事
今!気になるレビュー
ネットに走る雑誌営業マン
昨年の雑誌広告費がインターネット広告費に抜かれたことが、先ごろ電通が発表した「日本の広告費」調査で明らかになった。ラジオ広告費がネットに抜かれた2005年ごろから「次は雑誌だ」と言われており、昨年には出版関係者の多くが「抜かれるだろう」と語っていた。ある意味、既定の事実であり、業界にはそれほどの衝撃はない。ただ、この発表への反応は、同じ出版業界でも職種によって違うようだ。某出版社の営業幹部は次のように語る。
「同じ社内でも、編集者と営業マンでは今回の発表に対する受け止め方が少し違う。衝撃を受けているのはむしろ編集者のほうで、営業マンたちは『当然でしょう』と話しています。編集者は“井の中の蛙”的なところがありますが、営業マンは日々、広告の現場で実情をイヤというほど知らされていますからね」
この幹部氏によると、出版社の営業マンたちの最大の関心事は「ネットの世界での広告・営業術をいかに学ぶか」ということだという。
「これからの営業マンに求められるのは、ネットの知識とスキル。『紙(雑誌)の営業ができます』というのは、もはやスキルにもならない。転職するにしても、紙の営業技術だけでは“つぶし”がきかないことは彼らが一番分かっています」
スポンサー回りに出かけると、現場の若い宣伝マンたちは本(雑誌)を読まずにネットばかり見ている。一度も媒体を読んだことがない宣伝マン相手に「ウチの雑誌に出稿してください」と頼むのは至難の業だ。なかには「ネットなら広告出してもいいけど、雑誌じゃあねえ」とあからさまに告げる宣伝マンもいるという。
そんな現場の声を持ち帰った営業マンからの“突き上げ”に、この幹部氏は苦労しているらしい。
「営業マンは『もっとネットにコンテンツを出してください』とせっつきますが、コンテンツを作る側の編集者はネットに関心がなく、非協力的。なんとか編集、営業一体でネットに注力したいのですが…」
同じような対立はメディアの世界だけでなく、あらゆる業種や世代間で起きている。商品のネット販売が販売店の猛反対で頓挫したり、若手営業マンが考えたネット企画が年配の役員の無理解でお蔵入りしたり…。営業マンの苦悩は深い。


