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『そうか、もう君はいないのか』城山三郎著
昨年3月他界した城山さんが、その7年前に亡くなった妻、容子さんを偲んだ遺稿。次女の井上紀子さんによると、渋っていた原稿を亡くなる半年ほど前から書き始めた、とか。
「夜半、人の気配に目覚めると、すぐ横に容子の笑顔」があり、「私のこと、書いて下さるって?」と夢枕に立ったという。しかし間もなく入院。他界後、書斎に点在していたバラバラの原稿を、編集部でまとめたもの。
偶然の出会い、初夜のできごとから、亡くなるまで。妻ががんの宣告を受けた日、何と慰めようかと待っていると、「ガン、ガン、ガンちゃん、ガンたらららら…」と「明るい唄声」で帰ってきたりする天真爛漫な人柄に寄せた著者の愛情が直截に迫ってくる。 (新潮社・1260円)


