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瀬名秀明「イヴのみる夢」(26)-ミトコンドリア・ダイエット
世の中にダイエット方法は無数にあるが、メタボリックシンドロームの研究が進み、確実なエクササイズがわかってきた。それは体内のミトコンドリアを活性化して、脂肪をうまく燃焼させる方法だ。一般には「サーキットダイエット」と呼ばれる方法だが「ミトコンドリア活性ダイエット」といってもよい。
食べたものを体内で酸素を使ってエネルギーに変換してくれるのは細胞の中のミトコンドリアだ。食べ物は血液を巡って肝臓のミトコンドリアでエネルギー源になるが、余った栄養分(脂肪)は一時的に内臓脂肪細胞に貯蔵される。エネルギーがなくなったとき、内臓脂肪細胞は脂肪を分解して筋肉や肝臓などのミトコンドリアに送り込んでくれるのだが、このようなエネルギーバランスが崩れて内臓脂肪細胞が増えてしまう状態がメタボだ。
そこでエネルギーバランスを整えるには、ミトコンドリアの働きを十二分に発揮させてやることが肝心となる。激しい運動で酸素が足りなくなると、ミトコンドリアによるエネルギー合成も減ってくる。このとき体内ではAMPKという物質が活性化してくることに注目しよう。
AMPKは「いまエネルギーが足りないぞ」という危険信号を発するので、細胞も「よしわかった、脂肪を内臓脂肪細胞に貯蔵するよりは、エネルギー合成のほうに回そう」と判断してくれる。内臓脂肪細胞から栄養分が送られてくるので、このとき再び十分に酸素を吸い込み、ミトコンドリアで脂肪を燃焼させてやればよい。
つまりAMPKの働きを利用して、有酸素運動と無酸素運動を交互におこない、随時ミトコンドリアをポンプアップさせるのがもっとも効果的なメタボ解消法ということになる。
ゆっくり呼吸しながらの屈伸運動を数回おこない、続いて体を縮めてぱっと両手両足を広げて片足で立つという無酸素運動を数回、これを数セット繰り返す。数週間で効果が見込めるのでお薦めの運動だ。さあ、今日からミトコンドリアを活性化させてダイエット!
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せな・ひであき
小説家。1968年静岡県生まれ。96年東北大学大学院薬学研究科(博士課程)修了。95年、大学院在籍中に執筆した「パラサイト・イヴ」が日本ホラー小説大賞受賞、155万部のベストセラーに。主な著書は「デカルトの密室」 「ハル」など。
■瀬名秀明「イヴのみる夢」
(25)肥満解消に魔法の弾丸
(24)脳に埋めたチップが支援
(23)遺伝子操作で神経回路オン・オフ
(22)細胞をプリンターで印刷
(21)家禽の遺伝子改変で抑制も
(20)脳を活性化するサービス
(19)日本語は感染症予防に効果的!?
(18)心の痛みに効く処方
(17)“予知”能力もトレーニングできる
(16)「ゆらぎ」を活用する生命
(15)標識付きウイルスで伝播追跡
(14)父親から受け継ぐ「寿命の回数券」
(13)人類のⅠ型糖尿病も同じ!?
(12)「し忘れ」と「し間違い」の脳科学
(11)体外離脱でメンタルヘルスケア
(10)仮想空間で運動障害をリハビリ
(9)「アルツハイマー病予防で残りの人生謳歌」
(8)「ロボットと運動する楽しさ」
(7)「ペットが分身に?」
(6)「オヤジ臭さ」撃退!
(5)「人間の脳と機械の体を"融合"」
(4)「自分の脂肪でケータイ充電」
(3)「自分の一部を機械が操作」
(2)「ゲノム情報を読み取る」
(1)「ミトコンドリア占い」



