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宇宙・新時代(2)「有人は米シャトル、国内では無人飛行」のツケ

 「宇宙飛行士募集」―宇宙航空研究開発機構(JAXA)はこのほど、高度400キロを周回している国際宇宙ステーション(ISS)に長期滞在する宇宙飛行士3人の募集を開始した。そのISSには11日、土井隆雄さん(53)が日本の実験棟「きぼう」を設置するため、米スペースシャトル「エンデバー」号で飛び立った。

 土井さんは30歳で宇宙飛行士となったが、初飛行は10年前。青春時代の大半を、シャトル搭乗のための訓練と待ち時間に使った計算になる。土井さんだけではない。現役宇宙飛行士8人の後輩となる今回募集の宇宙飛行士たちも同じ運命が待っている。

 というのも、JAXAでは「有人は(米国の)シャトル(依存)で、国内では無人探査を」という。米側から政治的、経済的に独自技術開発を抑えられている事情もある。

 では、その現状はどうか。無人飛行に使われているH2Aロケットはこれまで14機が打ち上げられ、失敗は1機。打ち上げ業務を担う三菱重工は「打ち上げ成功率は92・8%。欧州宇宙機関のアリアン5型ロケットやウクライナ・ロシア・米共同のシーロンチロケットと比べて遜色(そんしよく)はない」と話す。

 だが、宇宙工学アナリストの中冨信夫さんによれば、「実はH2Aはエンジン開発に失敗した。先端技術開発の経験も技術力も乏しいのに、無謀に開発に挑戦し、そのために日本の宇宙開発は後手後手の対策を強いられている」のが現実だ。

 そんな日本をあざ笑うかのように、宇宙先進国入りを果たしたのが中国。2003年、「神舟5号」で有人飛行の打ち上げに成功した。北京五輪後には、3人乗り有人宇宙船「神舟7号」も打ち上げ、初の船外活動も行う。

 日本では、「中国のロケットはどうせ旧ソ連からの“技術導入”だろ」と、中国の技術開発力を下に見る傾向があるが、旧ソ連から導入した技術は半世紀前の1960年までのもの。あとは自力でロケット開発に成功しているのだ。

 日中の現状を左右しているのはやはり国の関与の有無の度合いだろう。

 「ロシアの軍需産業」(岩波新書)などの著者、塩原俊彦高知大学准教授も「06年に始まった第11次5カ年計画では防衛関連の科学技術・産業基盤の強化のために、海外からの支援に依存しない体制づくりを急ぐとしています」と話す。

 日本はこうした中国の“追い上げ”をただ傍観するだけでいいのか。 

宇宙・新時代(1)費用対効果に疑問符「きずな」

投稿日: 2008年03月21日

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