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映画決めゼリフ「私のちいさなピアニスト」
「あの子のことを思うなら自分の道具にはするな」
なぜ母親は子どもにピアノを習わせようとするのだろうか。私も苦い経験がある。幼稚園児のときに女子に交じって男1人オルガンを習わせられたのだ。きっと母が憧れている夢を、子を通して見ようとしていたのだろうな。まったくお役に立てなかったが―。
主人公のピアノ講師キム・ジス(オム・ジョンファ)も、ひょんなことで出会った才能ある少年に夢を託す。あまりの思いの強さに、心配する彼女の兄が言ったのがこのセリフである。世の母親に、もしかすると最近は父親にも伝えたいメッセージだ。
ピアニストへの夢を捨てきれないジスは、食べるために場末にピアノ教室を開いた。自意識が高く、生徒の母親と上手に付き合えずにいる落ちこぼれの先生だった。そこに現れたのが両親のいない7歳の少年キョンミン(シン・ウィジェ)。彼の世話をすることになったジスは、彼を特訓してコンクールで優勝させ、ピアノ教師としての名声を獲得しようとするのだが…。
少年役のシン君は、実際に7歳でピアノを習い始めて9カ月でコンクールに出場して1位になったという天才ピアニスト。少年の手が奏でるラフマニノフのピアノ協奏曲第2番はこの映画のキモであるところから、単なる子役では対応できなかったわけだ。でも役者としても味のある演技をしている。
ジスに思いを寄せるピザ屋の店長グァンホ(パク・ヨンウ)の演技もいい。筋は読めてしまうが、妙な過剰演出がなくて、さわやかに仕上がった作品だ。
2007年8月公開。
本編1時間48分、発売・ハピネット、3990円。




