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人材サバイバル(中)社員を定着させるには

人材サバイバル 企業の生き残りを左右する人材の採用・育成・退職のテクニックを考える連載の2回目。昨日は、己を知り、自らの将来像を描ききるビジネスマン個人の教訓にもなる「よい採用」手法を紹介した。今回は採用されたビジネスマンがその会社に「定着」「成長」するための、経営者や管理職の心構えを―。

 「最近の、特に若者は給与や有名企業というだけでは、その会社にとどまらない傾向が強くなっている。彼らを動かすのは、その会社で仕事を続けることで将来の自分が成長すると実感できるかどうかなんです」

 採用・人事のコンサルティングを手がける「トライアンフ」の樋口弘和社長は指摘する。とかく「辛抱が足りない」とオジサン世代からは批判されがちな若者だが、未来に希望を抱けなければ誰だってモチベーションは下がるだろう。

 それだけに、会社の理想を掲げ、チームの目標を示すことは経営者の重要な仕事になる。もちろん個人でも、常に目標を掲げ続けることを忘れてはならないという。

 社員定着のためのマネジメントとして、理想や目標を掲げるのは「面」の対策。一方で「点」の対策もある。これは「コミュニケーションと労働の多様化(ダイバーシティー)に尽きる」というのが樋口社長の論。

 コミュニケーションとしては、「カマッテアゲル仕組み」と称して同社が取り入れているのが、社長による社員全員への定期的なレターや定例ランチ、全体朝礼、子育て中の社員が子供に働いているところを見せることができるように設置されたキッズルームやオープンスペースなど。

 そのためにはお金も手間もかかる。同社は年間3000―4000万円ほどのコストをかけているが、これは営業利益の半分ほどにも上る。樋口社長も半年に1度のレター書きに際しては、週末に温泉旅館などにこもるという。

 「こうした事例はまだ世間では一般的ではないかもしれませんが、これからの企業はこういうことを考えないと成り立たなくなっていくでしょう。特に女性をどう活用するかは重要です」と樋口社長。

 要は、上司や経営者が自分のことを見ていてくれる、と社員が感じることができるかどうかで、これは「人心掌握術」としては昔から重要視されてきたことでもある。例えば、故田中角栄元首相が選挙の際など、田んぼにいる有権者の所に革靴のまま駆け寄り、しかもその有権者の名前と顔を覚えていた、というのは有名な話だ。

 また社員の定着同様、重要なのが育成。「リーダーの『適応力』がカギを握る」(樋口社長)というが、これは経営者だけでなく現場のビジネスマンにも必要な要素だ。「自我を持ちながらもそれをぶち壊していく適応力がないと、これからの急激な世の中の流れにはついて行けなくなる。今までは頭の良さが出世のひとつのカギでもあったが、これからは柔らかさが重要なのではないか」(同)

 「適応力」はビジネスマンにとって現代のキーワードともいえそうだ。

人材サバイバル(上)役立つ採用ワザ

投稿日: 2008年03月25日

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