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「昔々の健康食」将軍への道、七色の飯
春日局(かすがのつぼね)(1579―1643)は、明智光秀の家臣である斎藤利三の娘で、後に縁あって3代目将軍・徳川家光(1604―1651)の乳母になった。
少年時代の家光は食が細くひ弱だった。虚弱体質というよりも、父母の愛情に恵まれなかったためだ。家光には利発でのびのびと育った弟がいた。このため父親の2代目将軍の秀忠と母親は弟を 溺愛(できあい)し、将軍職の世継ぎと考えるようになっていた。
悲観した家光は自殺を図るが、春日局に抱きとめられ事なきを得た。春日局は駿府(静岡)に隠居中の家康に直訴。驚いた家康は老躯をおして江戸城に出向き、秀忠に長男を将軍にすべしと厳命したため3代目将軍の家光が誕生することとなった。
しかし、家光の食は細く朝食を拒絶する日が続いた。そこで春日局が考案したのが「七色の飯」で次のようなもの。
●菜飯 青菜を炊き込んだ飯
●小豆飯 現在のお赤飯である
●麦飯 大麦と白米を一緒に炊く
●粟飯 粟と炊き込む黄金色の飯
●湯取り飯 沸騰中の飯をザルに取り粘り気を洗い流してから蒸して柔らかくする
●引き割り飯 米粒を割ってから炊く
●干し飯 白米飯を干したもので、熱湯に浸しふっくらと戻してから食す
このうちのどれかを選択するわけであるが、春日局の献身のかいもあり、家光は健康を取り戻して立派な将軍になった。
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菜飯の作り方
材料は春の青菜類。シュンギクやコマツナ、ヨメナ、カブの葉など。青菜はゆでて刻み、塩味にした飯に炊き込むか、炊きあがった飯にさっと混ぜてできあがり。ビタミンCがたっぷりだ。さァ、菜飯を食して天下取りでござる。
(食文化史研究家・永山久夫)
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