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『弥勒世(みるくゆー)』(上・下)馳星周著
世界の暗部を描いてきた著者が、初めて日本の現代史に踏み込んで描いた暗黒小説。沖縄返還前夜、虐げられてきたウチナンチュ(沖縄人)の怨讐が米軍基地と日本政府に炸裂する。
主人公は英字新聞記者の伊波。反米運動を監視するCIA局員でもあるが、あるとき幼なじみの比嘉の米軍基地襲撃計画を知り、荷担することになる。ヤマトンチュとウチナンチュ、日本人と米国人、黒人兵と白人などの対立の中で、基地襲撃計画が進められていく。
彼らの「琉球共和国軍」は地元ヤクザの手を借り、日米支配からの脱却を目指すのだが…。ゴザ騒動など沖縄史を絡めて展開される、今回の馳ワールドはズシンと重い。(小学館・各1890円)




