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フリージャーナリスト西田宗千佳氏に聞く 久夛良木SCE名誉会長のスゴさ
世界で2億台以上を売った家庭用ゲーム機「プレイステーション(PS)」シリーズの全容と、その生みの親である久夛良木(くたらぎ)健ソニー・コンピュータエンタテインメント名誉会長の実像に迫った『美学vs実利―「チーム久夛良木」対任天堂の総力戦15年史』(講談社BIZ刊)が面白い。著者の西田宗千佳氏(36)に聞いた。
――久夛良木氏を追いかけた理由は
「2000年に初めてインタビューしたとき、内容の半分も分からなかった。後で周辺を取材して、これはすごいと」
――すごさの秘密は?
「つねに最先端の技術を吸収していること。マイクロソフトのビル・ゲイツやグーグルのサーゲイ・ブリン、ソフトバンクの孫正義さんも同じです。“企業内起業家”という特異なタイプですが、ヤマっ気のある技術者という意味ではソニー的ですね」
――PSをゲーム機ではなく、コンピューターとして進化させたかったようですね

「ゲームとコンピューターのどちらが好きか聞かれれば一も二もなくコンピューターと答える人でしょう。だからゲームや家電業界の人には久夛良木さんの考えは分かりにくい」
――《ゲームの世界から尊敬が得られなかった》ために、ネット上でユーザーから攻撃された?
「(ゲームに軸足を置く)任天堂の岩田聡社長や宮本茂専務の揚げ足をとっても面白くないけど、久夛良木さんなら批判しやすかったのだと思います」
――PS3はスタートでつまずきましたが
「任天堂のWiiに2、3年先行されるのは必然だったと思います。2010年ごろには2位にはなれると思います」
――久夛良木氏の今後は?
「テレビのネットワークサービスに興味を持っているようです。『オレはまだ終わっていない』と言っているので今後も重要な取材対象です」
――ふだんはどんな人
「ビッグマウスのイメージですがシャイな人。あえていうと“ツンデレ”でしょうか」
――技術者たちのエピソードも興味深いですね
「久夛良木さんだけでモノはできません。とっぴな発想にあきれつつも具現化させた現場の努力も書いておきたかった」
――読者のメッセージを
「70歳の私の父も分かるように、かみくだいた表現にしました。会社の中で自分のやりたいことをやるためにはどうすればいいか、考えるヒントになればうれしいですね」
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にしだ・むねちか
フリージャーナリスト。福井県生まれ。デジタル家電・パソコンなど「電気かデータが流れるもの全般」が取材対象。久夛良木氏には7、8回の単独インタビューを行っている。



