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宇宙・新時代(4)有人飛行計画進に進めず

かぐや このままいくと日本は宇宙で“路頭”に迷うだろう。というのは、日本時間のあす27日朝、土井隆雄宇宙飛行士は有人実験施設「国際宇宙ステーション(ISS)」から帰還するが、ISSをめぐる思いには参加国(米・日・露・加・ESA=欧州宇宙機関)に温度差がある。日本が「材料と生命科学の実験場」にこだわるのに比べ、他の国は多かれ少なかれ、有人飛行をにらんだ宇宙での長期滞在に人間が順応するためのデータ取得の場ととらえている。

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)によれば、日本がこれまで負担してきたISS関連予算は計6800億円。今後も運用費として年間400億円超を米国に払うが、公式には有人飛行計画を持たない日本にとっていずれも説明しにくい額だ。

 では、なぜ有人飛行ができないか―。理由は複数あるが、JAXAの的川泰宣宇宙教育センター長はこういう。

 「『行く、住む、帰る』の中では、『帰る』が最も技術的に遅れています。予算がついて、帰還技術の経験をもっと積むことができれば―」

 しかしながら、本気で帰還技術を含む有人飛行を実現するためには、「さらに約1兆円の費用追加が必要」(JAXA)で、その資金の捻出は極めて難しい。

 また、米スペースシャトルは2010年で運行を終了するのに対し、ISSの運用は15年まで。その間の輸送手段として、日本の次期大型ロケット「H2B」も、無人補給機の打ち上げなど名乗りを挙げる計画。H2Bには現在運用中のH2Aの主エンジン2機を取り付け大型化するというが、事はそう簡単ではない。宇宙工学アナリストの中冨信夫さんが指摘するように「このエンジンは、前世代ロケットH2についていたエンジンに比べ推力が約10%も低下した」。ロケット打ち上げサービスを担う三菱重工では「06年、推力の信頼性回復に道はつけたが、さらに精度を上げるための試験は続けねばなりません」という。

 こうしたなか、ISSを宇宙観光の場ととらえる外国の民間会社も出てきた。01年、米実業家チトー氏が約22億円でISSへの宇宙旅行に飛び立ったのを皮切りに、高度400キロの宇宙は民間会社による“遊びの場”として開放されつつある。日本も新しい宇宙利用のひとつとして、ノウハウを築いてもいいはず。

 無人では、昨年打ち上げられた月探査機「かぐや」でそれなりの業績も挙げたが、同じ月探査でも米国や中国などは新たな資源活用の道を探っている。宇宙新時代に世界と伍していくための宇宙政策立案が真に待たれる。

宇宙・新時代(1)費用対効果に疑問符「きずな」
宇宙・新時代(2)「有人は米シャトル、国内では無人飛行」のツケ
宇宙・新時代(3)「平和利用」思惑の違い


イラスト解説:月面と「かぐや」の想像図(JAXA提供)

投稿日: 2008年04月04日

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