この記事を読む方におすすめの記事
今!気になるレビュー
こんなにアル中国もめごとマップ
中国チベット自治区の暴動で、中国政府への批判が高まっているが、このチベット問題にかぎらず、中国はさまざまな国や地域でトラブルを起こしている。そもそも日本の毒ギョーザ問題でさえ、まだ何も解決していない。現在、中国はどんな“もめごと”を抱えているのか、当WIDE面おなじみのMAPで表してみた。
■チベット自治区
チベット人による中国からの分離独立運動に、漢人とチベット人の「格差」の問題も絡み、抗争は激化する一方だ。
チベットは清の時代に一時支配されたが、清滅亡後に独立。だが、1949年に人民解放軍が侵攻、占領した。チベットを統治していたダライ・ラマ法王はインドに亡命政府を樹立した。
中国政府はその後、行政区域としてチベット自治区を設立。中国主権下での自治を認めたが、実質的に漢人が支配しており、チベット人は抑圧されている。
中国情勢に詳しいジャーナリストの富坂聰氏は「ここ数年の経済成長でチベットはかなり豊かになった。しかし、要所はすべて漢人が押さえているため、格差への不満がチベット人には根強い。五輪を前に、格好のアピールの場と考えたうえでの暴発だろう」と語る。
■新彊ウイグル自治区
実はチベットよりも過激な分離独立運動を展開しているのが、中国西端にある新彊ウイグル自治区。49年、中国共産党の「和平解放」によって成立した。住民の大半をウイグル人、カザフ人、キルギス人らのテュルク系住民が占める。
長年、中国当局によるテュルク系住民への深刻な人権侵害や天然資源の収奪、環境破壊が行われており、住民の反政府感情は根強い。
富坂氏は「中国当局はチベットよりもむしろ、こちらのほうを危険視している。チベット暴動は民衆の手によるものだが、アフガン戦争に参加したテュルク系住民は本格的な軍事訓練を受けている。組織化された場合、大規模なテロになる可能性は高い」と指摘する。
今月7日には同自治区の省都ウルムチ発北京行きの中国南方航空がハイジャックされそうになり、途中の蘭州空港に緊急着陸するというテロ未遂事件も起きた。
■台湾
49年、中国大陸での中国共産党との覇権争いに敗れた蒋介石率いる中華民国政府は100万人を超える漢人を引き連れて、台湾に移転した。
国民党独裁時代は、主権をめぐる緊張状態が続いたが、李登輝氏が総統に就任すると民主化・融和路線にシフト。中国とは別国家として独立への道を模索する動きが出てきた。だが、中国政府はいまも台湾への強硬姿勢を崩していない。
米国防総省によると、中国が昨年10月までに台湾対岸に配備した短距離弾道ミサイルは900基に達し、年間100基以上のペースで増強が進んでいるという。今月22日の総統選挙では、対中融和路線をとる国民党の馬英九氏が当選。両国の関係がどう変わるか世界が注目している。
■日本
昨年末から今年にかけ、中国・湖南省石家荘市の天洋食品で製造された冷凍ギョーザを食べた人たちが重篤な食中毒を起こした。その後の調べで、問題のギョーザからは基準値をはるかに超える農薬が検出された。
さらに、同工場などで製造された他の製品からも農薬が検出されたことで騒動は拡大。これに対し、中国政府と製造工場は原因は中国側にはないとしている。
■朝鮮半島
北朝鮮との間では脱北者の処遇をめぐり、強制送還などの強硬姿勢が最近目立っている。
韓国では今年3月、代表的なスナック菓子からネズミの頭とみられる異物が発見され、大騒動になった。製品の半分は中国・青島で製造していたという。メーカー側は「正確な原因は不明」としているが、騒ぎは中国に工場を構える他の韓国食品メーカーにも飛び火している。
■米国
07年3月、米国で有機化合物メラミンが混入した中国産ペットフードを食べた数百匹の犬や猫が大量死した。米国に製品を卸していたカナダのペットフード会社大手が製品の大規模回収・無償交換をしたことで問題が発覚。米小売り大手ウォルマートが販売自粛するなど、影響は米国全土に広がった。
FDA(米食品医薬品局)の調べなどで、製造元の中国・江蘇省と山東省の企業がタンパク質含量を偽装するためにメラミンを違法に混入していたことが発覚。中国側は当初、非を認めなかったが、同年5月、輸出入品の検査当局が混入の事実を認めた。
■パナマ
07年9月、パナマ政府が配給したせき止めシロップを服用した児童の大量中毒事件が発生。関連が疑われる数も含めると、死者数は360人を超えるという。
原因はシロップに含まれていた有毒物質のジエチレングリコール。製造したのは中国江蘇省のグリセリン工場で、「TDグリセリン」という商品名で輸出していた。
この「TDグリセリン」をパナマの製薬工場と同国の保健当局がグリセリンと間違えたことが直接の原因だが、中国では紛らわしい商品名を付けたニセ薬が横行しており、この事件も中国側のそうした姿勢が遠因との指摘がある。
■鳥インフルエンザ
中国では世界総量の約20%にあたる約150億羽もの家禽(ニワトリ、アヒルなど)が飼育されている。そんななか警戒されているのが新型鳥インフルエンザだ。
05年5月には青海省で渡り鳥約5000羽が大量死。同年10月には内モンゴル自治区、湖南省などで相次いでヒトへの感染が報告され、安徽省では24歳の女性が感染後に死亡した。
江蘇省では07年11月から12月にかけて父子が感染し、子供が死亡した。これはヒトからヒトへの初の感染。複数の専門家は「発表されていない感染事例がまだあるのではないか」と懸念している。
■法輪功
92年に中国で活動を開始した気功団体「法輪功」は世界80カ国に1億人以上のメンバーを抱えると言われる。厳格な組織ではなく、同団体も宗教性は否定しているが、中国政府は「邪教」と断定。米国に移住した創始者、李洪志氏を国際指名手配した。アムネスティ・インターナショナルの報告では、中国当局は数万人の修行者を拘束し、拷問と虐待を行っている恐れがあるという。法輪功は世界各地で中国政府を提訴し、政府批判を展開している。
------------------------------
ジャーナリスト・富坂聰氏の話
中国食品の安全性が問題視されているが、危ないことをやってでもチャンスをつかまないと生きていけないのが中国の貧困層の現状だ。人口の多さは大きなビジネスチャンスを生み出すが、同時に激しい競争社会も生み出し、それが周辺と軋轢を起こしている。
鳥インフルエンザやSARSなど中国が感染源の流行病の実態が公表されないことも気になる。実は今、香港で原因不明の流行病が発生し、子供が4人死んでいる。当初、当局は『危険』と発表したが、影響の大きさを危惧し、すぐに打ち消した。
人民解放軍からリストラされた退役軍人たちの不満も懸念材料だ。銃器の扱いに熟練した彼らは、警察も対抗できない犯罪集団になり得る。中国はつねに不満分子を抱えており、危険なガスが充満している状態。北京五輪が、その起爆剤になる可能性もある。

