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映画決めゼリフ「犯人に告ぐ」
「結局こうなった責任は誰にあるんだ」
6年前の誘拐事件。張り込み中に犯人を取り逃し、人質の少年は殺されて発見された。その指揮を執った巻島警視(豊川悦司)に、刑事部長の曾根(石橋凌)は、このセリフを投げつけた。組織社会ではよく聞く言葉だ。だが大抵、上司が発した責任の裏には自分のメンツがあり、現場担当には自分に向けた悔恨がある。
結局、巻島は体面上の責任を取らされ、山間の警察署に左遷された。
話は、神奈川県警本部長に出世した曾根が、巻島を呼び出すところから動き出す。川崎で起こった連続児童殺人事件の捜査が難航していたのだ。そこで、テレビから視聴者に情報提供を呼びかけさせるため、巻島に指揮を任させることにしたのだ。だが、上の思惑に振り回されないと決めた巻島は、生放送のニュース番組で、犯人に向かって語りかけ挑発する。
この作品は、出世欲と責任逃れが渦巻く警察組織の幹部や、視聴率一辺倒で動くテレビ人らの思惑の中で、ただ犯人を追い求める刑事の執念を描いた骨太の作品だ。
ハデなアクションもなく、メリハリ効いた脇役が彩りを添えてくれる演出も特にない。光を絞った暗めの画面からは黒澤監督時代の古くさい映画の匂いが漂う。テレビを使った「劇場型犯罪捜査」という現代的な題材を、よくぞここまで地味に仕上げた、というほど極めてオーソドックスな作りのドラマ。だからこそ、人のエゴイズムが全面に現れ、サスペンスの緊張感を盛り上げる。深い人間ドラマだ。
2007年10月公開。本編1時間57分、発売・ショウゲート。3990円。

