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視覚的なインスピレーションでアレルギーを治す名医
■ブラックジャックを探せ!
大久保公裕さん(48)
日本医科大学附属病院(東京都・文京区)耳鼻咽喉科頭頸部外科准教授
ようやくシーズンも終盤を迎えたスギ花粉症。この花粉症に代表される鼻のアレルギー疾患治療の第一人者である大久保公裕医師は、東京都文京区の耳鼻咽喉科医院の長男として生まれた。
「最初は実家を継ぐつもりだったが、まだ解明されていないことを追求していく面白さを知って、考えが変わってしまった(苦笑)」との理由から大学に残った。
「耳鼻科の醍醐(だいご)味は、患部を目で見て得た情報から、的確な戦略を編んでいくところ。それだけ視覚的要素からのインスピレーションが重要になってくる。僕自身が数式から物事を構築していく内科的なタイプではなかったので、耳鼻科には向いていたんでしょう」
耳鼻科領域の中でも特に鼻のアレルギーを専門とし、たびたびメディアでその最新情報の解説を行うことが多い。そんな全国区の知名度から、外来にはさまざまな症状を訴える患者が集まる。
「人と話すのが好きなので、外来診療は好きなんですよ」と笑うが、その忙しさは半端ではない。それでも、人一倍多くの患者を持つ身だからこそ知る花粉症の危険な面もあるという。
「いま日本で花粉症という疾患を知らない人はいないでしょう。しかし、この病気の本質を知っている人は意外に少なく、正しい診断や治療を受けていないために症状を悪化させている人も多いんです」
大久保医師によれば、30―50代の働き盛りの男性だけでも国内の花粉症患者数は1200万人にのぼるという。その全員が花粉症シーズンにくしゃみや鼻水で仕事の能率を落としたら、それだけでも著しい経済損失を生み、国力は大幅に下がることになると訴える。
「花粉症やメタボのように、誰もが知っていて患者も多い疾患こそ、患者にも医師にも正確な情報が必要なんです」
診断と治療を正しく啓蒙(けいもう)普及していくために、忙しい日々はまだ当分は続きそうだ。
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おおくぼ・きみひろ
1959年東京生まれ。84年日本医科大学を卒業後、同大学院耳鼻咽喉科、米国立衛生研究所を経て2000年日本医大准教授。日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー学会幹事、日本アレルギー学会理事。趣味は乗馬。
