この記事を読む方におすすめの記事
今!気になるレビュー
髪は男の命(2)薄毛の真実
多くの人が悩みを抱える男性型脱毛症、いわゆる薄毛。できれば避けて通りたい。だが、遺伝的な要素も強く、一般的にいわれるような食生活ともあまり関係ないといわれている。なすすべはないのか。
■“犯人”
「男性ホルモンは毛髪を太くしたり、骨や筋肉を増強させます。しかし、その働きがネガティブになる部分があり、それが薄毛に結びつくのです」と、東京医科大学皮膚科の坪井良治教授は説明する。
動物における男性ホルモンは元来、男らしさを際立たせる働きがある。オスのライオンのフサフサのたてがみや、オスのニワトリのりっぱなトサカはその一例だ。ところが、ヒトの頭髪に関しては、逆に働き、薄毛になってしまうのである。
「頭髪に影響を与える男性ホルモンは、テストステロンが活性化したDHT(ジヒドロテストステロン)と呼ばれるもので、そのDHTに対して感受性が強ければ、薄毛になりやすい」(坪井教授)
DHTに対する感受性は個人差がある。さらに部位によっても影響の度合いが異なる。DHTの影響を強く受けやすいのは前頭部と頭頂部。いわゆるMO型の薄毛が多いのはそのためで、側頭部は、感受性が弱くDHTの影響を受けにくい。
「男性型脱毛は遺伝的な要素が強い。ただし、親が薄毛だからといって、子供も薄毛になるわけではなく、親がフサフサでも薄毛になることがある。祖父、さらには曾祖父からといった隔世遺伝もありえるのです」(坪井教授)
自分の薄毛のリスクは、ご先祖サマが知っているのだ。
■治療
男性型脱毛症は、30代以降に始まりやすい。鏡を見て、おや、と思った時が、治療の開始時。
治療といっても、食事療法をはじめ様々。本当に気になるようなら、専門医のもとを訪れた方がいいだろう。
治療なら、やはり発毛薬プロペシアの服用が主流。臨床試験では、1年間服用した場合の有効率は58%、3年間では78%。さらに抜け毛予防は98%にものぼる好成績だ。
「プロペシアは、テストステロンがDHTになるのをブロックする働きがある。服用しても精力には影響ありません」
こう話す坪井教授自身、髪が気になり始めた2年前からプロペシアを服用、さらに外用育毛剤も併用しているという。ちなみに現在、坪井教授はフサフサ。ただし、プロペシアは服用を中止すると効力はなくなる。脱毛予防の観点で見れば優等生といえそうだ。
■未来は明るい!!
すでに進行してしまった場合だが、後頭部の皮膚など髪の残っている部分を生やしたい部分に移植する「植毛」は、近年手術も進歩。費用は百数十万円と高額だが、手術時間は3、4時間だ。さらに、自身の毛乳頭細胞を培養する再生技術の研究も進んでおり、数年のうちに実用化される予定だ。
