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「ザ・自転車通勤」(3)企業からの支援も広がるジテツウの輪
企業側にも、続々と支援の輪が広がる自転車通勤。なかで1980年代から20年以上も社員に奨励し続けている日本屈指の“ジテツウ”会社が、大阪府堺市に拠点を置く自転車部品・釣具メーカー「シマノ」だ。
同社では申請すれば、月額5000円の手当が支給され、災害補償とヘルメット代半額支給もある。本社では、社員約1200人のうち約350人が申請しているが、電車・自動車通勤者でも、週2、3回自転車で通う人もおり、常務2人も含まれる。各地の事業所などでも実施している。
「自転車を扱っている会社だけに、当然興味がある社員も多く、環境が整っているというのは否めません」とは広報室の櫻井匠美さん。櫻井さんも最近買い換えたクロスバイク(ママチャリとロード用の中間仕様、7万円相当)で片道4キロを通うジテツウ者だ。
本社敷地内には400台収容の駐輪場と浴場、更衣室を完備。自転車で出社し、ひと風呂浴び、制服に着替えてオフィスや作業場へ…。そんなハード面だけでも羨ましいが、櫻井さんの言う「環境」とは、やはり“チャリ通”の猛者がそろっている点だ。
同社には、欧州を拠点にする専門のレーシングチーム「スキル・シマノ」があるほか、マウンテンバイクの日本チャンピオンら競技経験者もいて、同好会を組織し、アマチュア大会に出場したりも。生産技術部課長の吉田義幸さん(50)も、そんな猛者の影響を受けた1人。競技経験のないホビーレーサーだったが、部内のサイクリングを機に、約8年前から週2、3回、兵庫県西宮市の自宅から会社まで大阪湾沿いの約30キロを通うように。社員平均片道5キロ未満の中で、際立つ長距離ジテツウ者だ。
「仲間内に、乗り方や自転車選びをアドバイスしてくれる人がいるのは大きい。誰かがいい自転車に乗ってきたら社内で話題になるし、競争意識も芽生えますからね」
開始1年で、62キロあった体重が57キロに、体脂肪率も20%から半減した。現在では30キロを1時間強で走破。この時間は電車通勤とほぼ同じだそう。吉田さんはこうアドバイスする。
「最初は週40~50キロを目標に好きな日にやるんです。ショップの人と仲良くなってルートなどの情報をもらうのも大事。それに社の考え方でもありますが、自転車通勤はあくまでフィットネスの一環です」
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■エコ重視でも
国内最大手の自動車部品メーカー「デンソー」(本社・愛知県刈谷市)では2006年12月から導入したエコポイント制度(通称・デコポン)に自転車通勤も活用。自宅から勤務地まで2キロ以上を徒歩や自転車で通勤すると月20ポイントが加算されるというもので、現在284人が登録中だ。
「名鉄さんとタイアップして、放置自転車をリサイクルし、駅から事務所までの社員へのレンタルも行っている。今後は、自転車を使用する社員がさらに増えると思う」(同社広報)
ただ、企業による自転車通勤支援には問題もあるよう。
「都心企業では、通勤中に事故に遭った場合の労災の手続きがネックになって禁止しているところも多い。ただ、日本は中国、米国に次ぐ世界第3位の自転車大国。環境対策の一環としても、もっと自転車通勤を後押しすべき」とNPO法人自転車活用推進研究会事務局長の小林成基さんは話している。
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