この記事を読む方におすすめの記事
今!気になるレビュー
「今週のデジタルうんちく」ウィキペディア(中)書き込みバレた!! "事件"の真相
先週から、ネット上の百科事典プロジェクト「Wikipedia(ウィキペディア)」について紹介している。中編は「誰もが書き込める」という仕組みによって起きた“事件”と、それがなぜバレてしまったかについてのお話。
昨年9月、週刊文春が面白い記事を掲載した。ライバル誌「週刊新潮」を発行する新潮社内のパソコンによって、ウィキペディアの「週刊文春」の項目が編集されていた、という内容だ。同誌の特徴について「読者年齢がわずかに低くやや硬派といえる」と書かれていたのを、「やや軟派といえる」に書き換えたという。あいにく、現在のウィキペディアでは、その部分は編集されて別の文章になっている。
お役所も盛んにウィキペディアの編集を行っている。総務省のパソコンからは、北海道ローカルの深夜バラエティー番組「水曜どうでしょう」の項目に20回以上もの書き込みがあった。農林水産省もガンダム関連の項目に膨大な書き込みをしていた=画面写真上。
匿名で書き込めるはずのウィキペディアで、なぜ書き込みがバレてしまうのか。それは昨年8月にカリフォルニア工科大の大学院生が公開した「ウィキスキャナー」というツールのためだ。
ウィキスキャナーは、ウィキペディア上で書き換えを行ったIPアドレスを解析するツールで、企業名や政府機関名、もしくはIPアドレスを直接入力して検索すると、そのIPアドレスを通じて行われたウィキペディア上の書き換え履歴が一覧で表示される。いつ、どのように書き換えられたかも表示されるし、現在は消えてしまった文章も当時のまま読める。
ウィキスキャナー日本語版のサイト=同下=を開き、画面の「その組織を特定する」の「名前」の欄に半角アルファベットで会社名や団体名を入力し、「私の被害者」ボタンをクリックすると、その名を含む会社(団体)のIPアドレス、所在地、ウィキペディアへの編集回数が一覧で表示される。その中から目的のIPアドレスを探し出せば、そのIPアドレスからどのような書き換えが行われたかが分かる。
ただし、ウィキペディアのログインIDを正式に取得して編集した場合は、ウィキスキャナーではサーチできない。ウィキスキャナーはあくまでも匿名で編集しているIPアドレスを探しだすツールだ。
匿名での編集に対し、当事者自らが反発する事例もある。最近話題になったのは、アスキー創業者の西和彦氏が自身の項目内容を大量に削除した事件だ。西氏は一部の取材に対し、「書かれた内容が間違っているので訂正していたが、訂正個所が多すぎるため削除した」と述べている。
ウィキペディアのガイドラインによると、記事の執筆はなるべく第三者に任せるのが望ましいとしつつも、当事者が名乗りをあげて意思表示をしたり直接編集することは許される、としている。
次回は、ウィキペディアはどこまで正しいのか、について紹介する。

