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映画決めゼリフ「夕凪の街 桜の国」

「うちらは誰かに死ねばいいって思われた」
夕凪の街 桜の国 この作品は2つの物語でできている。『夕凪の街』は1958(昭和33)年の広島に暮らす被爆者・平野皆実(麻生久美子)のラブロマンス。『桜の国』は現在の東京が舞台で、皆実の姪・石川七波(田中麗奈)が、定年退職した父(堺正章)を追って、自分のルーツを探す話。この2つを通し、26歳で死んだ、被爆者の皆実の哀しみを描き出す。

 このセリフは皆実が言ったものだ。被爆の悲惨さや苦しさ、後ろめたさを描いた作品は数多いが、これほどまでの恨みを語ったものは珍しい。終戦後13年経って死が近くなった皆実は、「うれしい? 原爆を落とした人はわたしを見て、『やった!またひとり殺した』ってちゃんと思うてくれとる?」と洩らす。

 原爆投下はまぎれもない非戦闘員の大量殺戮(さつりく)だ。戦争が狂気の沙汰といっても、投下命令を下した米国人に冷静な意志があっただろう。そこから透けて見える非人間性に空恐ろしさを覚える。これは米国民にぜひ見てもらいたい作品だ。

 原作は、こうの史代さんの漫画。映画もその画風を壊さないようなさわやかさがある。悲惨さも声高な主張も描かないのに強い反核メッセージが伝わる。

 『夕凪の街』の登場人物の名前は広島市の町名から採ったそうだ。市民にとってはまた違った感慨を受けることだろう。

2007年7月公開。本編1時間58分、発売・セガ、アートポート。4935円。

「夕凪の街 桜の国」

投稿日: 2008年04月20日

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