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日本人の肝臓はその手の中に

■ブラックジャックを探せ!
泉並木さん(54)
武蔵野赤十字病院(東京都三鷹市)副院長兼消化器科部長

泉並木さん 現在日本で最大の感染症とされる「肝炎」。その先には肝硬変、肝がんという重大疾患が控えている。

 今では肝臓疾患治療の権威として知られる泉医師だが、初めは循環器科の志望だったという。

 「研修で色々な科を回っているうちに、未解明な部分の多い科のほうが、やりがいがあるんじゃないかと思うようになって」と、当時は原因も治療法もほとんど確立されていなかった肝臓疾患を専門に選ぶ。

 長いあいだ歩みの遅かった肝炎治療だが、1988年にC型肝炎ウイルスが見つかると、せきを切ったように急速な進歩を見せ、泉医師はその中心に身を置くことになる。刻々と状況が変わっていく中で最新の治療法を検証し、臨床導入していかなければならない日本の肝臓疾患治療を常にリードしてきた。

 その功績は肝炎治療だけではなく、肝がんの分野でも大きな足跡を残している。現在、肝がん治療の主流となったラジオ波焼灼術。患部にラジオ波という電流を流すことで、がん組織を焼いていく治療法だが、この前段にあったマイクロ波によるがん治療の導入と普及に尽力したのが泉医師だった。その活躍の場は国内にとどまらない。アメリカでのマイクロ波治療の第1号症例は、泉医師がマイアミ大学に出張して行ったものだ。

 「難度の高いマイクロ波で鍛えていたので、その後ラジオ波の普及でラクになりました」と笑うが、その高い技術と知識を求めて、患者はもちろん、将来の肝臓治療を担う多くの若い医師が泉医師の門をたたく。

 同氏は今後の展望についてこういう。

 「常に勉強をしていないと取り残されてしまう領域ですが、学ぶことで治療に興味を持てればモチベーションは高まる。日本の肝がん治療はドイツ、イタリアと並んで世界のトップクラス。この水準を下げないためにも、優秀な医師を1人でも多く育てたいですね」
 日本人の肝臓の未来がその手腕にかかっている。
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いずみ・なみき
 1953年兵庫県生まれ。78年東京医科歯科大学卒業後、同大の他に横須賀共済病院、武蔵野赤十字病院、土浦協同病院などを経て86年より武蔵野赤十字病院勤務。2008年より副院長。趣味は音楽鑑賞。

投稿日: 2008年04月21日

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