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外交官出身、加藤良三コミッショナーに期待

■江尻良文編集委員「球界に直言!」
 7月1日からコミッショナーに就任する加藤良三駐米大使。下田武三コミッショナー以来の外交官だけに、期待ができる。というのも、お飾りの多かった過去のコミッショナーの中で、下田氏は異色の物申すタイプだったからだ。当時御三家と言われたセ・リーグの巨人・正力、ヤクルト・松園、広島・松田オーナーに対しても歯に衣着せぬ発言で堂々と渡り合い、オールスター、日本シリーズへのDH導入を決めている。

 人気面で格差があり、セ・リーグのオーナーたちの言い分が通り、パ・リーグのオーナーたちは仕方なく追従していた時代だが、下田コミッショナーは一刀両断。「日本プロ野球界のビッグイベントであるオールスター、日本シリーズにDHがないのは不公平だ。平等でないとおかしい」と言い切り、コミッショナーの強権発動。「DHなど邪道だ」と猛反対していたセ・リーグのオーナーたちを押し切ってしまった。

 下田コミッショナーvsセ・リーグオーナーの全面戦争は、コミッショナー事務局だけセ、パの連盟事務所と同じビルから出て行く別居騒動までに発展した。さらに、「もう一期(3年)やる」と続投に意欲を見せていた下田コミッショナーに対し、「他人の家に土足でズカズカ入ってくるようなコミッショナーは許せん。冗談じゃない」とセ・リーグのオーナーたちが猛反発。結局、一期だけで下田コミッショナーは退任している。その後も下田コミッショナーアレルギーが残り、「オーナーの言うことを聞くコミッショナーがいい」ということで、お飾りコミッショナー探しが定番になったのだ。

 同じ駐米大使経験者の加藤新コミッショナーに大きな期待がかかるのは当然だろう。メジャーリーグにも詳しく、世界の王、ソフトバンク・王貞治監督と親しい間柄で日米の球界に人脈があるだけに、日米問題が山積している現状解決の手腕がさっそく問われる。「現在考えられるベストの人選」というのが球界関係者の多くの声だが、「一つだけ腹をくくっておかないといけないことがある」という異論もある。

 「外交官というのは、お金を湯水のごとく使っても当たり前と思う金銭感覚がある。何かあれば、やれパーティーだ、が日常茶飯事だ。10月でコミッショナー事務局、セ、パ連盟事務局の統合が決まっているが、年俸2400万円のセ、パの連盟会長が辞めてもそれくらいじゃ間に合わないかも―」と苦笑する球界関係者がいるのだ。確かに下田コミッショナーの際に移転した今のコミッショナー事務局は超一等地のビルの中にあり、下田コミッショナーはいたくお気に入りだった。

 まあ多少お金がかかってもやるべきことをやってもらえば、ファンは納得するだろう。メジャーリーグのコミッショナーは年俸14億円ももらっているのに、バブルのメジャーリーグ球団から異論は出ていないのだから。すべて費用対効果の問題だろう。

投稿日: 2008年04月23日

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