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薬の開発で白血病、骨髄腫、リンパ腫が一変
■ブラックジャックを探せ!
鈴木憲史さん (57 )
日本赤十字社医療センター(東京都渋谷区)第二内科(血液内科)部長
大学医学部を卒業後、数多くの病院を渡り歩いて研鑽(けんさん)を積む医師がいる一方で、1つの病院に腰を落ち着けて診療に当たる医師もいる。鈴木憲史医師は後者のタイプ。大学の医局ではなく、外の病院での研修を選んで以来、じつに三十余年にわたって日赤医療センターで血液内科の診療に取り組んできた。
「大学を卒業したときにちょうどこの病院もできたので、僕はオープニングスタッフなんです。病院はいま、新しい建物をつくっていますが、僕としてはこの古い建物で医者としての人生も終えるつもりだったんですけどね(笑)」
医師デビューした当時、血液内科は決して脚光を浴びる存在ではなかった。白血病、骨髄腫、リンパ腫など、対象とする疾患はどれも「不治の病」といわれ、診断がついた時点で生還をあきらめなければならない時代だったのだ。
ところがその後、それぞれの病気によく効く薬が開発され、状況は一変する。
「血液内科が診る病気はどれも、患者の不摂生で起きる“自業自得病”ではなく、誰にでも平等に、一定の確率で起きうる病気。それだけに一人一人の患者とのおつきあいは真剣になる。でも、もともと“人と接する仕事”にあこがれて医師になったので、僕には向いているとは思うんですよ」と笑顔で話す。
血液内科の第一人者として知られるが、姿勢はどこまでも謙虚で、自身に贈られる称賛を自分の手柄ではなくチームの功績として受け止める。
「ウデで戦う外科と違って、ここはチームの総合力がモノを言う。そもそも基礎研究の恩恵が最も生かされるのがこの世界。臨床だって看護師や技師の働きがあって初めて成り立つもの。僕一人で何かできるものじゃないんですよ!」
そんな人柄に実績が伴うだけに、患者はもちろん、同業者である医師や医療従事者にファンが多いのもうなずける。
来年完成する新病院でも、氏を慕う多くの患者でにぎわうことは間違いない。
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すずき・けんし
1950年埼玉県熊谷市生まれ。76年新潟大学医学部卒業。東京医科歯科大学大学院修了。日本赤十字社医療センター内科研修医、同医師、第二内科副部長を経て、95年より同部長。現在東大、筑波大、昭和大の各非常勤講師を兼任。趣味は麻雀、笙演奏。



