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「今週のデジタルうんちく」ウィキペディア(下)捨てたもんじゃない!? 「正確性」&「編集能力」
ネット上の百科事典プロジェクト「Wikipedia(ウィキペディア)」を便利に使っている人は多いが、果たして内容はどのぐらい正しいのだろうか。ウィキペディアの最後の項では、その正確性をめぐるエピソードを紹介する。
これまで述べてきたように、ウィキペディアは各項目ページの「編集」タブをクリックするだけで、誰でも加筆・修正・削除ができる。サイト全体を管理する人間はいるが、各内容を監修する人はいないので、素人が誤りを書き込んだり、専門家の書いた項目を素人が削除することもあり得る。匿名の掲示板のように荒れ果てる可能性もある。
そこで、イギリスの科学雑誌「ネイチャー」は、科学分野の内容についてウィキペディアと「ブリタニカ百科事典」のオンライン版を比較するという調査を実施、2005年12月15日の同誌オンライン版に結果を発表した。
それによると、ウィキペディアとブリタニカ・オンライン版では間違いの量にそれほどの違いはなく、正確さは同程度だったという。
これを聞いてウィキペディア側は大いに喜んだ。ブリタニカ社は当初、「間違いを訂正する予定だ」と謙虚にコメントしたが、その3カ月後、ネイチャー誌の調査方法は妥当でなく、記事は間違っていると反論した。
これに対し、ネイチャー誌は記事の正当性を示す反論を重ねた。同誌によると、ブリタニカとウィキペディアの両方とも、同誌が最初の比較記事を発表した後に、間違いを指摘された項目の一部を訂正したという。つまり、ブリタニカにも間違いはあったわけだ。
ただし、ブリタニカは一度訂正されれば二度と間違うことはないが、ウィキペディアの場合は正しい文章になっても、内容が「保護」されて編集不可になるまでに再び誰かによって書き換えられてしまう危険性がある。
では、その「編集能力」はどの程度のものなのか? それを試した有名な実験がある。2005年9月に米国の雑誌「エスクワイア」の記者が行った実験だ。
ネットメディアのCNETによると、同記者はウィキペディアにどのくらい推敲(すいこう)力があるかを確かめるため、「ウィキペディア」という項目にあえて間違いや誤字の多い文章を投稿し、どんな文章に推敲されるかを調べた。最終的な原稿はエスクワイア誌に掲載すること、文章量や文体などの希望も事前に表記したところ、24時間で224回、さらに24時間で149回の編集が行われ、「オリジナルよりはるかにウイットに富んだ」完璧な文章ができあがったという。
ただ、これはウィキペディアの創始者も絡んだ特別な実験なので、すべての項目について同じ結果にはならないだろう。しかも2年半も前に米国で行われたこと。だが、不特定多数の人が集まるウィキペディアも、そう捨てたものではないと思える話の1つではないだろうか。
■「今週のデジタルうんちく」ウィキペディア(上)
■「今週のデジタルうんちく」ウィキペディア(中)書き込みバレた!! "事件"の真相



