この記事を読む方におすすめの記事
今!気になるレビュー
「偉人のカルテ」北原白秋-糖尿から眼底出血や腎臓病に
童謡の『からたちの花』で有名な北原白秋は、1885年に熊本で生まれた。伝習館中学で落第し、やがて詩歌を投稿するようになって父親に無断で退学、早稲田大学英文科予科に入学する。
上京してから号を「射水(しゃすい)」と称し、若山牧水、中林蘇水とともに「早稲田の三水」と呼ばれる。その後、歌壇における位置を確立した歌集『桐の花』などを刊行。さらに鈴木三重吉の『赤い鳥』に童謡を次々と発表する。『ゆりかごのうた』『ペチカ』『この道』『待ちぼうけ』など、誰もが一度は口ずさんだことがあるはずだ。
しかし1941年の暮れころからは糖尿病が悪化。眼底出血や腎臓病に苦しめられ、42年11月2日、57歳の生涯を閉じた。
糖尿病の怖ろしさは合併症にある。眼底出血と腎臓病も合併症である。検査には血糖値とグリコヘモグロビン(HbA1c)があるが、正常値は空腹時の血糖値が110㎎/dl(以下㎎/dlを略す)以下、2時間値が140以下。HbA1cは空腹時126、2時間値で200を超えると糖尿病になる。
糖尿病や“予備軍”である境界型でも心配することはない。専門医に診てもらって食事療法と運動療法さえきちんとすれば、糖尿病でない人に負けないくらい長生きすることができる。 (東京文化短大学長・医学博士・中原英臣)

