この記事を読む方におすすめの記事
今!気になるレビュー
75歳でエベレストに挑戦! 三浦雄一郎さん肉体の秘密
史上最高齢となる75歳でのエベレスト登頂を目指す冒険家の三浦雄一郎さん。チベット問題の余波で思わぬ足止めを食らっているが近々アタックを開始する予定だ。それにしても、後期高齢者と呼ばれる年齢にもかかわらず過酷な環境下にも耐えうるその肉体には、どんな特殊な能力が秘められているのか。
■2度の心臓手術を受けチャレンジ
プロスキーヤーとして富士山をはじめ世界七大陸最高峰のスキー滑降を制覇。その後、一時は引退を考えた雄一郎さんだったが65歳のときエベレスト登頂を決意。5年後、二男でモーグル五輪選手の豪太さん(当時33歳)と親子2代で登頂に成功。さらに今回は2度にわたる不整脈に対する心臓手術を受けてのチャレンジだ。
それにしても三浦家はすごい。99歳でモンブラン山系のスキー滑降を成し遂げ、生涯現役プロスキーヤーだった父・敬三さん(享年101)を筆頭に元気で長生きするサクセスフル・エイジング(成功加齢)。三浦さん自身、「危険に見舞われると生命力が燃える」と話すなど「冒険」「アスリート」「長寿」といったスーパー遺伝子を受け継ぐ家系に違いない。
■脅威の遺伝子は存在!?
ところが…。
「いま分かっている限りでは、他の人と特別違った特異的な遺伝子を持つわけではありません」と話すのは順天堂大学大学院・加齢制御医学講座の白澤卓二教授。白澤教授は今回の登山計画にも医療チームとしてサポートしているほか、過去に三浦家3代の遺伝子検査を行っている。遺伝子と無関係とすると、スーパー一家の“秘密”はどこに隠されているのか。
「高所登山は他のスポーツと違って低酸素との闘い。体を動かすのには細胞内に酸素を取り込んでAPT(エネルギーの元)を産生しなくてはいけないが、空気の薄い高所では当然、体内に運ばれる酸素濃度は低下する。8000メートル級を制覇できるような人たちは、低酸素に対する体の反応が非常にいいのです」
空気濃度が平地の3分の1になるエベレスト山頂(標高8848メートル)は人が生存できる極限の環境。標高とともに体の利く体力年齢は低下していき、山頂地点ともなると単純計算でいって実年齢に約70歳上乗せした状態になるといわれる。
■実は心臓が弱い糖尿病家系だった…
今回の登頂後、雄一郎さんは身体的にもさまざまな貴重なデータを持ち帰ることになっている。これらは、同世代の高齢者が、たとえば脳卒中や心疾患、肺などの病気によって同様に体内が低酸素になる状態に置き換えて研究されるなど、医療への応用が期待されている。
三浦家のもつ決定的な違いについて、「家系的には心臓が弱く、糖尿病になりやすい体質。肉体的には普通かもしれないが、目標に向かう精神力は超人的」と白澤教授。65歳の時点では、高脂血症、高血圧、高血糖で完全にメタボだったという雄一郎さん。三浦さんにならって努力次第でまだまだヒーローになれるかもしれない。

