TOP / ピックアップ > 「サラリーマン小説再読」『ワーキングガール・ウォーズ』

「サラリーマン小説再読」『ワーキングガール・ウォーズ』

ワーキングガール・ウォーズ 働く女性(ワーキングガール)を抜きに、経済も社会も語れない。その一翼を担う2人の女性が本書の主人公。

 大手音楽会社係長の墨田翔子(しょうこ)は社歴15年の37歳。入社以来仕事一筋、現在は企画部門で会社でも必要とされる人材。年収は1000万円超、都心に1LDKのマンションを所有、傍目にはさっそうたるキャリアウーマンと映る。だが、彼女は周りから浮き上がっていないかと気にしている。同僚や部下に好かれていないことが悩みの種だ。

 旅行代理店の契約社員で、オーストラリア・ケアンズで働く29歳の嵯峨野愛美(まなみ)。お茶くみOL生活に見切りをつけ、英語を学び、ケアンズへやってきた。月収17万円弱、ボーナスなし。給与は不満だが、職場の雰囲気もよく、居場所はここしかないと思っている。苦手は家族旅行のアテンド。継母の下で育った彼女は、家族旅行の経験がないのだ。

 家族への渇望を抱える愛美と、人間関係に悩む翔子がメールを介して知り合う。8歳若い愛美が翔子に優越感を抱くのがおかしい。翔子は部下のいじめやセクハラの悩みを解決することで上司の責務を果たす充足感を知り、年下の恋人もできる。他方、愛美は翔子への信頼を糧に人生を見つめ直そうとする。

 女のいくさ(ウォー)も果てしない。描かれるOL事情は、男にも参考になりそう。
 (文芸コラムニスト・長野祐二)

「ワーキングガール・ウォーズ」

投稿日: 2008年05月04日

トラックバックURL:

ちょいワルフジBLOG

最新記事

夕刊フジBLOGから

コラボ企画

オススメサイト

夕刊フジBLOGモバイル

  • http://yfuji.jp/
    夕刊フジBLOGモバイル
  • 携帯も夕刊フジBLOGモバイル