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「今週のデジタルうんちく」(上) 「フラッシュ」垣根取り払う

pc20080423_01.jpg 今週から3回にわたって「YouTube(ユーチューブ)」について取り上げる。名前は当然ご存じと思うが、世界最大の動画投稿サイトだ。きょうは、その概要と歴史について。

 ユーチューブは、米カリフォルニア州のユーチューブ社が行っているサービス。同社は2005年2月15日に設立され、同年12月からサービスを開始した。

 ユーチューブの特徴は、さまざまなビデオ(動画)を形式や内容を問わず、自由に投稿・閲覧できる点だ(ただし、投稿やアダルト系などの動画視聴はユーザー登録が必要)。

 それまでの動画共有サイトは、サイトによって投稿の方法や再生用のプレーヤーソフトが異なるなど一般ユーザーには敷居が高かったが、ユーチューブはブラウザ上で素早く再生できる「フラッシュ」という動画形式を採用。さまざまな動画形式の投稿をユーチューブ側でフラッシュに変換する方法で、動画サイトに対する“垣根”を取り払った。

 このため、テレビ番組や市販のビデオ(映画、ミュージックビデオなど)、CDなどから勝手に取り込んだ映像や音楽も簡単に投稿できるようになり、それがネットの口コミを通じて閲覧者を増やす結果となった。日本でも「2ちゃんねる」などの巨大掲示板サイトやブログで話題が広まり、日本からの投稿も爆発的に増えた。

 投稿数の急増と違法動画の投稿対策として、ユーチューブは06年3月から動画1本につき10分以内という時間制限を設けた。だが、長時間の映画やテレビ番組を10分ごとに切り分け、番号を付けて投稿するユーザーが後を絶たず、その“違法性”が世界的に注目されることとなった。

 そんななか、06年10月に突然、グーグルが16億5000万ドル(約1700億円)もの巨額の株式交換でユーチューブを買収。その戦略に大いに注目が集まった。ただ、グーグル買収後もユーチューブのサイトデザインやサービス内容に変わりはない。07年6月に日本語版など9カ国語に対応したが、英語版への接続も可能だ。

 ユーチューブには1日に数十万本の動画が投稿されている。米調査会社によると、今年2月の米国の月間ユーザー数は約7852万人、日本のネットレイティングスによると家庭のPCから月間約1620万人がアクセスしているという。

 投稿された動画には、コメントやこれまで再生された回数(=視聴数)、5段階の評価などを付けられるので、人気の動画はすぐに分かる。日本のアニメ番組などに英語や中国語、スペイン語などの字幕が付いているものもある。放送後すぐに投稿され、字幕もすぐに付くという“仕事”の早さには驚く。

 こうした違法な動画が投稿される一方で、自前の“作品”をユーチューブに投稿し、それが世界中のネットユーザーに認められてアマチュアからプロに転向した歌手や映像作家なども多い。日本でも最近、5匹の猫が歌う「MUSASHI’S(ムサシーズ)」のビデオが世界的な反響を呼び、着うた配信や音楽番組へのデビューを果たした。

 次回は、違法投稿をめぐるメディアの対応などについて紹介する。

投稿日: 2008年05月01日

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