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言葉のタネ明かし」蛙の子…相手を喜ばせるつもりが…
今回は誤りやすい慣用句を―。
「息子さんが店を継ぐって? さすが『蛙(かえる)の子は蛙』ですな」。こういった表現を耳にすることはけっこう多いものだが、自分では相手を喜ばすつもりだったのに、相手は喜ぶどころか、反対に怒り出すことにもなる。
「蛙の子は蛙」は、「子は親に似るもので、親の進んだ道を歩むことが多い」という意味とともに、「凡人の子はやはり凡人だ」といった意味もあるから要注意だ。聞いた相手は「おれも息子も凡人か!」と思ってしまうかもしれない。
相手の息子が立派になったことをほめて「鳶(とび)が鷹(たか)を生んだ」と言うのもご法度である。いくら息子自慢の親でも、面と向かって自分が鳶(平凡なもの)と言われたのでは立腹しないわけがない。
こんなのもある。「遠距離交際していたふたりが結ばれたんだって? 『遠くて近きは男女の仲』と言うからねえ」。「遠くて近きは男女の仲」は「男女の仲は、遠く離れているように見えても意外に結ばれやすい」(大辞泉)ことをいうのだが、これはなにも北海道と沖縄といった距離の遠さをいう表現ではない。「枕草子」は「遠くて近きもの」として、「男女の仲」のほか「極楽」などを挙げ、逆に「近くて遠きもの」には「親族の仲」を挙げている。
(産経新聞大阪編集局校閲部長 清湖口敏)
■その他の「言葉のタネ明かし」
「嘘」 「悲喜こもごも」 「口腔」 「大安」 「セイチョウ」 「みみざわりのよい」 「とんでもありません」

