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「言葉のタネ明かし」汚名挽回
「日本語」に関する本を読めば読むほど、「日本語」について混乱をきたしてくる。かといって職業柄、読まないわけにもいかない。
産経新聞をはじめ大抵の新聞は「汚名挽回(ばんかい)」を誤用としている。テレビ各局でも同様だ。パソコンで「汚名挽回」と変換させると、ご親切にも「誤用です」と教えてくれる。
「汚名」とは悪い評判、不名誉な評判をいう言葉だから、汚名を挽回する(取り返す)という言い方は、どう考えても矛盾がある。「汚名」はそそぐ(雪ぐ)べきもので、挽回するのは「名誉」でなければならない。そこで新聞などは、「汚名挽回」と出てくれば「汚名返上」や「名誉挽回」などに、「汚名を挽回する」と出てくれば「汚名をそそぐ」などに言い換えている。
ところが「問題な日本語」(大修館書店)は、その「汚名挽回誤用説」に真っ向から反対している。「挽回」には「巻き返しを図る」意があり、その意で解釈し直すと、「劣勢(衰退した家運・不名誉・汚名)を挽回する」などは、すべて正しい言い方になるというのである。
「汚名挽回」を「汚名返上」に訂正する必要など、最初からなかったのだとも断じているから、私の脳内が混乱をきたしたのだった。この「混乱状態」、はたして「挽回」できるのか…?
(産経新聞大阪編集局校閲部長 清湖口敏)
■その他の「言葉のタネ明かし」
「蛙の子」 「嘘」 「悲喜こもごも」 「口腔」 「大安」 「セイチョウ」 「みみざわりのよい」


