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「温泉の底力」骨折-ぬるめの単純泉で自然治癒
骨折には、急激な刺激がよくないため、単純泉にじっくりつかることが望ましいといわれている。中でも、海や山などの非日常の環境の中で転地療養を併用できる温泉がいいようだ。温泉コンサルタントの中澤克之氏は、こう説明する。
「体内酸素量が増えてくると、本来持っている自然治癒力が高まります。濃い成分のあまりない、ぬるめの単純泉の湯にゆっくりつかることが、徐々に自然治癒力で骨をくっつけていく作用を助けるんです」
秋田県の小安狭(おやす)温泉は、効能に「骨折」をうたっていて、お勧めという。小安狭温泉観光協会会長の多郎兵衛旅館の主人に聞くと、「昔から効能はうたわれています。“温まりの湯”といわれる、少しぬるめのやわらかい温泉で、ゆっくりつかると、身体が長くポカポカしているんですよ。足や膝が痛いというお客さんが、3日とか4日泊まって入っていたら、だんだん足が痛くなくなったという話も多く聞きますね」。
川の中の岩の割れ目から1年中湧出(ゆうしゅつ)している温泉で、全国でも珍しい。階段を下りていくと、渓谷に約90度の湯煙が上がる「大噴湯」も見どころだという。宿は11軒。山形新幹線の新庄駅で乗り換えて湯沢駅下車、バスで1時間余り。
和歌山県の南紀勝浦温泉も、「海の風に当たりながら湯につかり、美味しい海の幸を楽しめるところがいい」と中澤氏。
「入り心地がよい」との評判で、骨折を適応症にうたう宿もある。温泉旅館組合によると、「ほとんどの宿に露天風呂があり、太平洋を通る船も眺められます。生マグロの水揚げがトップクラスで、世界遺産の熊の古道や、那智の滝なども近く、観光目的で連泊して湯につかれるのもいいかもしれません」。
山梨県の下部温泉も、古代の海底で堆積(たいせき)された岩盤から湧出するといわれ、ぬる湯が適しているという。新緑の空気を感じながら、ゆっくり湯につかりたい。



