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サラリーマン小説再読「女たちのジハード」篠田節子著(1997年刊
市役所勤めの経歴もある著者が、「結婚」をキーワードに、火災保険会社で働くOLたちを描いた直木賞受賞作。
34歳の康子は女性では社の古参。「結婚」は意識にあるが、付き合った男はろくでなし…。将来を見据え、マンション購入を考えるも、高値でなかなか手が出ない。安価な競売物件をヤクザの妨害を振り切って手に入れる。土壇場になると知恵が出るタイプ。
「結婚」願望が強いのがリサ。まだ24歳だが、25歳が女の曲がり角―と焦り気味。上司にかわいがられながらも、狙いはあくまでリッチな独身。だが、1人見つけた相手を、とろいと馬鹿にしていた同僚の紀子にさらわれる。
もう1人、沙織は最も自立心が強く、「結婚」を逃げ道にはしない主義で、26歳で退社後渡米。語学学校に入り、そこで終生の目標を見つける。
さて、康子はひょんなことから農業青年と知り合い、話は急展開。「やはり女の品性はダンナしだい」「女に性欲がない、なんて嘘だ」という警句が次々に飛び出し、女のふてぶてしさが、ユーモラスに描かれる。
OLたちには、結婚をめぐるジハード(聖戦)が常にあることをお忘れなく。
(文芸コラムニスト・長野祐二)

