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Dr.中原英臣の「医の常識非常識」現代の「快汗」方法はスポーツ
人間は汗をかくことで健康を維持しているが、現代社会では汗が消えつつある。電車や事務所は真夏でもクーラーで快適だし、職場や家庭での仕事も機械のおかげで楽になったが、汗を流さない生活は健康とはいえない。そのためにお金と時間をかけてスポーツクラブで汗をかくのだから皮肉な話である。
夏の暑い日の1時間当たりの発汗量は、家事で100ミリリットル、普通の歩行なら400ミリリットル、激しい運動では1・5リットルになる。真夏には1日の最大発汗量が10リットルに達することもある。人間は体温を一定に維持しないと生きていけないので、汗をかくことによって体温を一定に調節している。注射の前にアルコールで消毒されると皮膚がヒヤリとするのは、アルコールが蒸発することで熱が急に奪われるからであるが、これと同じ原理で体温を調節している。
汗は汗線から分泌されるが、不思議なことに人間以外の動物には汗腺がない。そこで動物はいろいろな方法で体温を調節している。イヌは暑くなると舌を出しハァーハァーして口の中に冷たい空気を吸い込む。ブタは泥水を体になすりつけ、その水を蒸発させる。
「額に汗して働く」という言葉からわかるように、昔の人は働くことでいい汗をかいていた。現代人がいい汗をかくにはスポーツが一番だ。大量の汗をかくと不足する水分と塩分はスポーツドリンクで補給する必要がある。昔から「快眠、快食、快便」といわれるが、現代の標語はスポーツによる「快汗」を加えた「快眠、快食、快便、快汗」といえる。
(新渡戸文化学園・短大学長)
