TOPデジタル / ピックアップ > 大前研一の「IT時評」ソフトバンクの借金を返済の策は?

大前研一の「IT時評」ソフトバンクの借金を返済の策は?

テーマ2:携帯電話大手3社の2008年3月期の連結決算が出そろった。NTTドコモが2期ぶりの減収になった一方、KDDIとソフトバンクモバイルは売上高、営業利益とも過去最高を記録した。

 ドコモが一人負けで、とくにソフトバンクが大躍進、と報道されています。たしかに、相対的に見るとその通りですが、違う見方をしておく必要があります。

 ソフトバンクはボーダフォンを買収して大手の一角に入ったことで売上高が3兆円近くに拡大し、利益も出るようになりました。これは間違いありませんが、純利益という面から見るとドコモやKDDIには及びません。

 ドコモは約4兆円の売り上げに対して5000億円の利益を出していますが、ソフトバンクは2兆7000億円の売上高で1000億円しか利益が出ていません。売上高利益率から言えば、2倍以上の違いがあります。

 したがって、ドコモがあと5%分の利益を投げ出すような安値攻勢に出れば、ソフトバンクを追い落とすことは可能です。

 しかし、ドコモは戦略が下手で、他の2社よりも高収益という強みを使い切れていません。強みを生かせればKDDIやソフトバンクをもっと苦しめることができるのですが、それができず、一人で勝手に苦しんでいるという状態です。おそらく固定電話で経営が苦しくなっているホールディングカンパニーからは、もっと利益を上げてくれ、と言われているからでしょう。

 営業利益率でも純利益率でもドコモは依然として強いのですが、図体がでかいために戦略不在で、自分が何をやればいいのか分からない状態に陥っています。

 一方、ソフトバンクは一点豪華主義で市場に入ってシェアをとり、勢いに乗っています。この勢いに株価がついてくれば、第三者割当増資などによって2兆円近くある借金を返すことも可能になります。つまり、敵失で自分の借金を返せるメドが立ってきました。

 ソフトバンクの孫正義社長は戦略家ですから、ドコモがもたついている間に自分たちのほうが将来は明るいというイメージを振りまき、株価を上げる戦略に出ているのでしょう。増資で借金を返済するという策を練っているのではないかと思います。

--------------------------
 ビジネス・ブレークスルー(スカイパーフェクTV!757チャンネル)の番組「大前研一ライブ」5月11日放送から抜粋。

投稿日: 2008年06月02日

トラックバックURL:

ちょいワルフジBLOG

最新記事

夕刊フジBLOGから

コラボ企画

オススメサイト

夕刊フジBLOGモバイル

  • http://yfuji.jp/
    夕刊フジBLOGモバイル
  • 携帯も夕刊フジBLOGモバイル