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M&A時代生き抜く6カ条

 依然、M&Aの嵐が吹き荒れ、サラリーマン残酷物語が聞こえてくる。あすはわが身…。「その時あなたはどうする」の心構えはしておきたい。ノンフィクション作家の桐山秀樹さんがこのほど出版した「M&A残酷物語」(中公新書ラクレ)はサラリーマン約50人に取材した生々しいM&A体験がちりばめられている。「M&A時代を生き抜くための6カ条」も参考になりそうだ。

 たとえば、あなたの会社がいきなり外資に買われたら―。外国人上司との胃の痛むような毎日。そうした中でついに辞めざるを得なかった日本人社員たちは…。

 「M&Aの荒波に巻き込まれた多くの人は、息を潜めジッとしている。厳しい環境の中で会社の置かれた立場をよく理解しているからこそ、自分の居場所を根こそぎひっくり返すようなM&Aに恐怖を感じている。そういった人たちに、プラス志向になってほしいと思って書きました」

 こういう桐山氏がすすめる“生き抜くための6カ条”はこうだ。

 (1)あえて“流れ”に逆らい、主張せよ
 M&Aにあった会社はこれまで通りのやり方では立ちゆかない。新会社で自分の能力が生かせるかがカギ。だから、これまで押さえつけていた思いを思い切りぶつけて新会社を十分観察すべし。辞めるのはそれからでも遅くない。

 (2)「肩書」「給与」は下がるものと思え
 多くの場合、統合された企業では降格降給はつきものだという。降格されるとプライドを傷つけられ辞める人がいるが、肩書より自分の専門を生かすことができるかを考えるべきという。

 (3)「絶望」と見るな、「希望」と見よ
 M&Aは考えようによっては負け組が勝ち組を逆転するチャンス。1つの企業が終わり、新たな企業がスタートする。それを「希望」と見ることで、生き方はまったく変わってくるだろう。

 (4)「過渡期」は少々の矛盾に目をつぶれ
 対等合併にこだわる日本型M&Aでは過渡期にはなかなか統合効果は表れない。むしろ非効率ばかり目につくが、あえて黙々と努力することで、効果の表れる成熟期に高く評価される場合も。

 (5)「常在戦場」の意識を持て
 社員としては、普段からM&Aを意識して備えるしかない。M&Aがあろうとなかろうと、業務改革の方向性や自己分析をしておくことが大事。M&Aを利用するぐらいのしたたかさを持とう。

 (6)「未知の旅」を楽しめる人になろう
 M&A後は予想できないことが次々に起こる。それは旅に似ている。そんな旅を楽しめる「変化に順応できる人間」「ある種の“鈍感力”を持った人」になろう。

 胸を張って歩きたくなる本である。
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 きりやま・ひでき 1954年、愛知県生まれ。学習院大学法学部卒。「ホテル戦争」「旅館再生」(角川oneテーマ21)「プリンスの墓標 堤義明怨念の家系」(新潮社)など著書多数。

投稿日: 2008年06月20日

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