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わがまま高野連、プロ野球界は毅然たる態度を
■江尻良文編集委員「球界に直言!」
ドラフトの開催日を巡り、プロ野球界側と高野連が意見対立している。今年のドラフトから高校生も大学・社会人と同時開催することが決まっており、10月30日を予定している。ところが、高野連は「進路を早く決める必要があるから、10月初旬にしてほしい。大学、社会人と一体になってプロ側に掛け合いたい」と早期開催を要求しているのだ。
これまで高野連の言い分を聞いて高校生だけ先に行う分離ドラフトを開催してきたわけだが、今回はプロ側としては譲れないと強調する。「10月初旬ではペナントレースをやっているし、11日からはクライマックスシリーズが始まる。だから10月30日しかないと決めたんだ。そうでないと、監督が出席できなくなる。日本の場合、監督にはGM的な仕事もあり、監督がクジを引くことでファンの関心が高まるし、マスコミにも大きく露出する。そもそも以前はドラフトは11月20日前後に開催していたわけで、1カ月近くも早く開催するのだから」というのがその理由だ。
確かに監督がクジを引くからファンの関心が高いし、絵にもなる。巨人・長嶋監督が松井(現ヤンキース)の当たりクジを引いた後の得意満面のポーズは、ドラフト史上の名場面の一つになっている。昨年の大学・社会人ドラフトで大場を引き当てたソフトバンク・王監督の「今年はいいことがなかったが、最後の最後で来年につながる明るい見通しが立った。感動した」という姿も鮮明によみがえる。
ファンにとっては興味も関心もない背広組のフロント首脳たちがクジ引きをしても「誰だ、あのおっさんたちは―」となるだけだろう。楽天・井上球団社長のように、一昨年は田中、昨年も長谷部を引き当て、その強運ぶりで有名になった人もいる。が、当の選手、ファンにしたら本当は野村監督にクジを引いてもらいたいだろう。感激度が違うはずだ。
10月30日ドラフト開催を決めたプロ側の言い分は間違っていないのだから、高野連の反対など突っぱねればいい。これまでプロ側が高野連に対し何かと必要以上に気を遣ってきたものだから、高野連がその気になっているのだ。逆指名制度の時も「まだ大人でない高校生が金まみれにされると困る。高校生の逆指名制度導入は絶対に反対」という主張を聞き入れた。「ドラフトは一般社会でいえば、就職試験のようなものだろう。本来は採用する側の我々の都合で決めればいいことだが、アマ側の要望も聞いて円滑にした方がいいということで、話し合いをしている」という対話路線できているからだ。
が、毅然たる態度を取るべき時はそうすべきだろう。昨年の西武の裏金騒動の際にも高野連は被害者の立場をアピールしてきたが、特待生問題などに飛び火して右往左往。旧態依然たる体質を暴露して世間から集中砲火を浴びている。プロ側も「我々が人材を提供しているからプロ野球は成り立っている。我々の方が偉いんだ」という高野連の思い上がりに冷水を浴びせてやる必要がある。
