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『一言半句の戦場』 開高健「単行本未収録作品集成」編集委員会編
今年12月で没後20年を迎える開高健の懐の深さを教えてくれる1冊だ。すでに全集が出ているのに、まだ未収録だったものがこれだけあったというのだから。ここにあるのは食、釣り、戦争、人間、文学、人生、映画、酒、旅について開高健が語り、原稿用紙に書き尽くしたものだ。
開高健が好んで使った「一言半句」という言葉。「ボクは作品中に一言半句、鮮烈な文句があればもう充分だというのが私の説やね」という開高健の輝ける一言半句だ。
なかでも、映画評論家、淀川長治との対談「かなりの人生を暗闇の中で暮らしてきましたネ」は笑えて、秀逸だ。一読の価値あり。58歳での死はあまりにも早かった、といまさらながらに思わせる。 (集英社・3360円)
