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西村京太郎さん-ものすごく休みたいけど ものすごく書きたい
オリジナル著作500冊の赤川次郎さんに次ぐ、433作目の新刊『びわ湖環状線に死す』を発刊したトラベルミステリーの第一人者、西村京太郎さん。77歳のいまも週5本の連載をこなし、年間10冊以上を刊行する健筆ぶり。書き続ける西村さんのパワーと、40年も難事件を解決してきた分身、十津川警部の“最後の事件”に迫った。
――人生目標は刊行数日本一、打倒!赤川ですか
「いやいや、赤川さんは年齢が離れているから、とてもとても…。ライバルは森村(誠一)さんね。彼は年も近いし、どこまでいったら執筆をやめようか考えるときも、彼の存在はかなり意識しちゃいます。いまは僕の方が多いけど、彼もかなり意識しているはずだよ(笑)」
――日本全国を舞台に433作。取材旅行の行き場所もなくなるのでは
「連載が12誌(12社)あるから、2社あわせて1回の取材で年6回ね。もちろん、47都道府県すべて制覇してますが、新しい列車が走ったり、注目の観光スポットができたりと何かとテーマは尽きないもの。困ったことはありません」
――とはいえ、週5本。ネタ枯れということも
「絶えずストーリーを考えて続けているから大丈夫。1社当たり月50枚×7カ月。10月には全誌の執筆を終え、11月にすべての出版社の編集担当がここ(湯河原の西村京太郎記念館)に集まって、翌年3月以降の執筆スケジュールを調整するの。ここから冬にかけてが、ネタを仕込んで取材先を決める時期です」
――書き続ける原動力は
「ものすごく休みたいけど、ものすごく書きたい、っていう気持ちかな」
――ゴールは見えますか
「出版社は『何百冊記念』だの『何周年パーティー』をエサになかなか辞めさせてくれないの。11月の会議でスケジュールを決められて、ぼくはそれに乗っかるだけだから。その質問は彼らに聞いて(笑)」
――ところで、出ずっぱりの十津川警部の引退は
「1970年の第1作以来、彼はずっと40歳。相方の亀さんは45歳で止まっている。ドラマに出演する俳優さんのイメージが強くて、みんなもっと年上だと思っているみたいだけど。ここまでくると、さすがに引退させてあげたい」
――しかし、ファンはだまっていない
「影響は大きいでしょうな。今も、書き出しからしばらく十津川を登場させないと、『十津川はまだ出ないのか』なんて出版社に問い合わせがあるからね」
――それでも、十津川引退のイメージはできている
「もちろん。最後の舞台は、十津川のルーツである奈良県十津川村を舞台に、退官前に自身の原点をたどる旅の中で、ミステリーに遭遇するというストーリーで締めたいと思っています。これ以上はその時のお楽しみですけど、いつ書かせてもらえることやら」
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にしむら・きょうたろう
1930年、東京都生まれ。『終着駅殺人事件』(81年、日本推理作家協会賞)など著書多数。96年、親交の深かった作家・山村美紗さんの急逝を機に、住み慣れた京都から神奈川県湯河原町へ居を移し、「西村京太郎記念館」を開館した。

